28日、「子どもへのわいせつ行為の前歴がある人へ、教員免許再交付しないで下さい」というネット署名5万4000筆分が文部科学省に提出された。

・【映像】免許再交付"NO"署名活動をした保護者「信用できないので再交付をやめていただきたい」

 署名活動をした団体の武田さち子氏は「(明らかになっている)わいせつ行為をした教員の数は氷山の一角だ」と指摘、郡司真子氏は「わいせつ犯罪歴があったり、子どもに対して性的欲求を持ったりしてしまう人が教壇に立つのは非常に危うい」と訴えた。

 こうした危機感の背景にあるのが、児童・生徒に対する性暴力によって免許が失効した場合でも、3年経てば再取得が可能になっている現行制度だ。先月には文部科学省がこの欠格期間を5年に延長するという報道も出たが、「そもそも二度と教育現場に戻るべきではない」「期間を開けても再犯の不安は消えない」「永久追放するべき」というのが、署名運動に同意した人たちの思いだ。

 一方、欠格期間が存在する理由には「職業選択の自由」が挙げられる。3日の『ABEMA Prime』に出演した柴山昌彦前文科相は「医師や保育士、あるいは弁護士など、他の資格職の場合も、罪を償った後は復帰することができる。そのような法律上の議論、職業選択の自由といった憲法上の議論が大きなネックになっていた」と説明していた。

 これに対し、署名活動を実施した「全国学校ハラスメント被害者連絡会」の大竹宏美共同代表は「フラワーデモの方たちや、海外の方々も署名に協力してくれた。保護者としては、一度でもわいせつ行為をした人は信用できない。できれば学校に、子どもの近くにはいて欲しくない」と指摘、「教員免許を持っていれば、子どもに近づく日が来るのではないか」として、教育委員会など、教壇に立たない職場配置にも懸念を示す。

 事実、戸籍を変えて別の自治体で教員として再就職、児童へのわいせつ行為で懲戒免職となったケースも報じられている。

 両親が公立学校の教員だったという若新雄純氏・慶應大学特任准教授は「公立校の教員は“ムラ社会”なので、同じ地域の先生の間には情報が共有されることになると思う、ただ、教員免許には地域は関係なく、採用も都道府県政令市など自治体ごとなので、別の自治体に行ってしまえば、周囲は過去のことについてはさっぱり分からないという状態だと思う」と指摘。

 その上で「罪を犯しても償った後には再チャレンジできるというのは大切だと思うが、今回の話は、職業として向き・不向きの問題もあると思う。“職業選択の自由”というのは、その仕事に向いているのに家柄などの理由から就くことができないような時代があったからであって、明らかにその職業に向いていないということであれば、他の仕事を選ぶこともできるということでもある」とした。

 大竹氏らは「性犯罪だけでなく、職員室内でのパワーハラスメントなど先生方の働き過ぎの問題、体罰・いじめなどについても公平な証拠を残せる」として、各公立学校のトイレと更衣室以外の全ての場所へ防犯カメラの設置、さらに地方自治体を通さず、直接子どもと保護者へアンケート調査実施可能なシステムの構築も要望している。文科省の対応が注目される。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
 
5万人超の署名を文科省に提出…わいせつ教員が再び教壇に立つことができるのも「職業選択の自由」なのか?