近年、ケータイスマホの普及とともに、街中ではほとんど見かける機会がなくなった「公衆電話」。かつては、仕事関係や家族・恋人に対する外出先での重要な連絡手段だった。10円玉テレホンカードを片手に、行列をなす光景も珍しくなかった。

 公衆電話は世の中から消えてしまったのだろうか。そんななか、Twitterで話題となったのが、現代風に進化したかのように見える公衆電話の姿。

 電子マネーEdyが使えるようになっており、デザインスタイリッシュに。しかしテレホンカード対応ではないようで現金は100円玉硬貨にしか対応していないことがわかる。そこで、公衆電話の「今」を探るべく、サービス元であるNTTドコモに問い合わせてみたところ、意外な事実が判明した。

ケータイスマホが通じない山奥や海上で出会えるかも!?

 まず気になるのは、進化した公衆電話にどこで出会えるのかということだ。NTTドコモ広報部が説明する。

SNSで話題となっていたのは『簡易公衆電話』というもので、主に携帯電話エリアカバーされていない山岳地帯の山小屋や、長距離フェリー・商船や官公庁船に設置しています。一般の方でもご覧いただけるとすると、山小屋やフェリーです」(NTTドコモ広報部、以下同)

 いわゆる街中で目にすることが出来るものではないようだ。しかし、一度は目にしてみたい! と食い下がったところ、具体的な設置数は公表しておらず、さらに設置場所の具体的な情報も、設置場所の所有者の情報となるためドコモからは公表していない、とのことであった。

◆街中の公衆電話とは種類が異なる

 それにしても、かなり進化しているように見えるが、従来のものと比較してどのように変化したのだろうか。

「じつは、『簡易公衆電話機』自体はサービス当初から現在まで何も変わっていません。あくまで、NTTが街中に設置している公衆電話とは、サービスの目的や利用場所が異なるため比較ではなく異なる種類の公衆電話としてご理解いただけると良いかと存じます」

 NTTドコモのホームページによると、『簡易公衆電話機』は2011年の6月にサービスを開始した衛星公衆電話の端末で、「ワイドスターII簡易公衆電話サービス」とセットでしか利用できない電話機。NTTの電話機のように地上固定回線につながっているわけではないのだ。だから山奥や海上でも利用できるというわけだ。

スマートフォンが普及した現代では…

 しかし、近年では山奥でもスマートフォンの電波が届くようになった。現状における『簡易公衆電話機』利用のニーズはどのようなところにあるのだろうか。

「もともと携帯電話エリア外で一般のお客様に通信手段を提供するためにサービスを開始しました。近年では沿岸エリアもほとんどが携帯エリア化され、登山客に人気のある山もエリア化が進んでいることから簡易公衆電話の活躍の場は狭まりつつあります

 つまり、出会える確率は限りなく低くなっていくということか。かなりレアな『簡易公衆電話機』。見かけたらかなりラッキーかもしれない。<取材・文/松本果歩>

【松本果歩】
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライターコンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter@KA_HO_MA

街中で見られる公衆電話(写真はイメージです)