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育児放棄された生後数日のライオンの赤ちゃんを、8匹の子犬を産んだばかりのジャーマンシェパードが受け入れ、我が子と同じように授乳を始めた。ジャーマンシェパードの子育ての様子はライオンを飼育するパークのInstagramに投稿され、『UNILAD』『Daily Star』などが伝えて拡散している。

ロシアのウラジオストクにあるホワイト・ライオン・パーク(White Lion Park)で今月中旬、オスとメスのライオンの赤ちゃんが誕生した。しかし母ライオンの“シロナ(Sirona)”は、赤ちゃんにミルクを与えないばかりか1匹に噛みついて怪我をさせた。

親子の様子を見守っていた園長のヴィクター・アガフォーノフさん(Viktor Agafonov)は23日、「赤ちゃんは痩せこけ、喉もカラカラのようだ。もうミルクをもらえないまま4日が経った。このままでは赤ちゃんの命に関わる」とシロナから2匹を引き離し、ジャーマンシェパードの“サンドラ(Sandra、8)”のもとに連れて行った。

サンドラはウラジオストクから北東へ50キロほど離れたアルチョームに住む家族から引き取った犬で、パーク内での生活は長かった。ただサンドラは猫が嫌いで、ヴィクターさんはライオン2匹を受け入れてくれるかどうか不安だったという。

しかしそんな心配をよそに、サンドラとライオンの赤ちゃんのマッチングは大成功。ヴィクターさんは「実はサンドラは最近、8匹の赤ちゃんを産んだばかりでね。ミルクはたっぷり出るんだ。今は残された1匹の子犬をケアしながら、身体の大きなライオンの子どもたちの世話もしてくれているよ」とホッとした様子であった。

ただ母ライオンが育児放棄をしたことについては、こう述べている。

シロナは非常に内向的で、人を寄せ付けない性格なんだ。初めての出産とはいえ、母ライオンが赤ちゃんを噛んだり関心を示さないケースはかなり珍しいね。私が飼育舎から赤ちゃん2匹を連れ出しても、全く気にしていないようだった。困ったものだよ。」

ともすれば母の愛情を知らずに育つところだった子ライオンだが、2匹は少しずつ体重も増えているとのこと。ヴィクターさんは「オスの子ライオンからサンドラのミルクを飲み始めてね。メスもお乳に食いついていたよ。サンドラには本当に感謝している。ミルクには赤ちゃんが必要な栄養がたっぷり入っているからね。犬がライオンの授乳をすることは滅多にないけど、親子の関係ができるだけ長く続いてくれるといいね」と嬉しそうに語った。

なおパークのInstagramにはサンドラに寄り添って眠ったり、毛づくろいをしてもらう3匹の子供たちの様子が投稿されており、「サンドラの温かさが伝わってくる」「人間がボトルでミルクをあげるよりもずっといいと思う」「元気に育って欲しい」といった応援するコメントが多数あがっている。

画像は『ПАРК БЕЛЫЙ ЛЕВ ВЛАДИВОСТОК 2020年9月24日付Instagram「Когда чужая мать-стала родной」、2020年9月25日付Instagram「Добрый вечер, дорогие наши」、2020年9月23日付Instagram「СИРОНА ОСТАВИЛА ЛЬВЯТ」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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