TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月14日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、社会学者の西田亮介さんが野党再合流で騒がれる“消費税減税”について述べました。

消費税率の引き下げに立ちはだかる3つの壁

立憲民主、国民民主両党などが合流して発足する新党は、新代表に立憲民主党枝野幸男代表が選出され、党名が「立憲民主党」に決定。より大きくなった野党第一党として、政権担当能力が問われると同時に、自公政権に対抗する野党勢力の構図が固まったことで、次期衆議院選に向けた各党との選挙協力を進められるかも焦点になります。

野党が再合流する際、西田さんは「何か新鮮味が必要」と考えているようですが、今回は「人、メッセージ、看板、何も変わっていないところが難しい」と率直な印象を語ります。

また、コロナ対策として財政出動の是非が問われるとともに、新政党のなかでは「消費税減税」に関する議論も出ていますが、消費税率の引き下げに関しては3つの難しさがある」と西田さん。それは、「超高齢化」、「財源」、「歴史」

「超高齢化」とは、1940年代後半に生まれた「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、それに伴い社会保障費関連の支出が増加。そうなると「政策を行うにあたって『財源』が必要になってくる」と示唆。

そもそも消費税が財源に与える影響は大きく、その税収は20兆円強。政府の税収は消費税所得税法人税が三本柱となりますが、そのなかで法人税だけが下がっており、消費税率を引き下げるということは、代わりの財源が必要」と西田さん。しかし、その代わりを見つけるのは困難で、例えばよく挙がるのが娯楽。タバコやお酒を見てみると、酒税の税収が約1兆円強、タバコが2兆円程度で、これは「消費税率で言うと1%程度の税収にしかならない」と指摘します。

かたや社会保障費は今後劇的に伸びていくことが確実。それだけに「政策を減らすのか、それとも財源を見つけるのかが必要」と言います。

そしてもう1つ、「歴史」的な難しさとして上げたのが、前回、民主党政権になった際のこと。生活者向けの措置を数多く提案したものの、財源が出てこなかったそうで、「事業仕分け埋蔵金なんとかなるかといえば、全くならなかった」と振り返ります。

◆引き下げられ続ける法人税、課税できるのは!?

総じて西田さんは野党に対し、「経済成長と生活者の負担を減らす方法と、法人課税を強化するということ、財源の現実的なバランスを考慮した政策提案をしていただかないと困る」と訴えます。

なかでも「法人課税の強化」については、「三本の柱のなかで突出して低いのが法人税であり、しかもどんどん税収は減っている」と指摘し、大企業の業績は良くなっているから、法人税だけでなく外形標準課税などを含め課税を強化しないといけないだろう」と主張します。

一方、消費税率の引き下げは「たぶん難しい」と推考する西田さん。むしろ「欧州は20%程度。今後は段階的にそこに向かっていくと思うが、道理で言うなら企業に対する課税を強化し、その後で消費税の引き上げなどの議論が必要」と持論を展開。

さらに、法人税はこれまで財界の強い要望もあって税率が引き下げられてきましたが、「引き下げてもその間に競争力が強くなっていない。一方で企業の収益は増え、内部留保も増えている」と意見し、「国民の負担は増しているのだから、法人も当然その負担を担うべき」と強調。そして、「課税できるのはそこしかない。人々の生活負担は高まっている」と訴えていました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter@morning_cross

「消費税ゼロ」は実現可能か? 代わりの財源はどう考える?