レディー・ガガが、アメリカン・ソングライターとのインタビューで、『クロマティカ』に収録されている楽曲に込めた意味について語り、中でも「ファン・トゥナイト」と「911」は、多くの人が自分自身に向けがちな厳しい批判精神や、それをどう克服するのかがテーマだと明かしている。

 「ファン・トゥナイト」について彼女は、「アルバムで最も悲しい曲の一つだと思う。もしかしたら一番悲しいかもしれない。だってあれは実は自分に向かって歌っているから」と述べている。

 彼女は、「ほかの人が楽しんでいるときに、喜んであげられなかった瞬間が何回かあってね。自分の中に閉じこもって、“今どれだけの人々が踊ってたり笑顔でいても関係ない。私は楽しめない”って思ってた」と続け、「そして(“ファン・トゥナイト”を)書いたあとに聴き返していたら、“これ自分に歌ってるんだ”って気づいた。“I’m feeling the way that I’m feeling with you / I stare at the girl in the mirror / she talks to me too”(自分が感じている思いは、あなたと一緒に感じている/鏡の中の女性を見つめると/彼女も私に話しかけてくる)、その“女性”って私のことじゃない、そうでしょ?自分が、“I’m not having fun tonight”(今夜は楽しめない)って感じてるわけ」と語っている。

 さらに、「“I can see it in your face”(あなたの顔に出ている)は、私の顔。自分の顔に、“You don’t think I’ve pulled my weight”(私が自分の役割を十分に果たしてないって思ってるんでしょ)って書いてあるの。つまり、それが真実だった。私は自分自身にとても厳しかった」と振り返り、「この曲を聴いて共感してくれる人たちに知っておいてもらいたいんだけど、自分が落ち込んでいるときに自分を辱めても役に立たないよ。やりがちだけど、役には立たない」と語っている。

 このテーマは「911」でも取り上げているという彼女は、「だって、自分がもう倒れているところに蹴りを入れているだけじゃない。そんなことを友達にはしないよね?友達が悲しんでいたら、“悲しいなんて最低だね!”なんて言わないでしょ?ハグしてあげるよね。応援してあげるよね」と続け、「自分の最大の敵は自分自身だと思うんだ。“911”でも言ってるんだけどね、“my biggest enemy is me”って。私は頭の中で、自分に向かって意地悪いことをしょっちゅう言ってる。そういうときは意識をそらして、それは“自分”の声なんだよって言ってあげる必要がある。でもそれは本当の私じゃないの。本当の私はそんなことをほかの誰かに言ったりなんて絶対しない。だったら、一体どうして自分に言っちゃってるんだろう?」と自己分析している。

レディー・ガガ、自分自身に向けがちな厳しい批判精神について語る「自分の最大の敵は自分」