トップチームでマルセロやベンゼマらが参加したゲーム形式の練習でもプレー

 レアル・マドリードのフベニールB(U-18相当)に所属する16歳のMF中井卓大が、トップチームの練習に参加し、スペインでも注目を集めている。そのなかで、英メディア編集者も「素晴らしいポテンシャルを秘めている」と称賛した。

 スペインの名門レアルの下部組織に11歳から加入した中井は、インファンティールA(U-14相当)、カデーテB(U-15相当)、カデーテA(U-16相当)と階段を駆け上がり、昨季はフベニールC(U-17相当)に在籍。今季はフベニールB(U-18相当)に所属しているが、8月に開催されたフベニールA(U-19相当)の選手が出場するUEFAユースリーグに“飛び級”で登録されている。

 現在は国際Aマッチウィーク中となっているため、代表選手が多く在籍するレアルはトップチームの人員が不足。ジネディーヌ・ジダン監督は中井をトップチームのトレーニングに招集したと、スペイン紙「AS」などが報じている。

 英メディア「Dugout」はトレーニング映像を公開しており、中井はブラジル代表DFマルセロや元フランス代表FWカリム・ベンゼマらも参加したゲーム形式の練習でもプレー。臆することなく相手にプレッシングをかけるなど、16歳の中井が“白い巨人”のスターたちとトレーニングに励んだことを受け、「AS」紙も「目立つ存在となっていたのは日本人の“ピピ”だ」と取り上げていた。

 これまで米スポーツ専門局「ESPN」や衛星放送「FOXスポーツ」に勤め、現在は英メディア「Dugout」のアジア部門編集長・映像編集部リーダーを務めるマーカスチャン氏も、中井の才能に太鼓判を押している。

「ピピは素晴らしいポテンシャルを秘めている。彼のテクニック、ボールキープ、そしてビジョン(の広さ)は際立っている。ジダンが彼のことを詳しく知りたいと思っているのは励みになるだろう。ジダンは、レアル・マドリードのユースチームを指導している元チームメートのラウール監督から、ピピについてかなり聞いていると思う」

 今月24日に17歳の誕生日を迎える中井が、レアルでどこまで上り詰められるか。今回の“トップチーム招集”は、これまで以上の可能性を感じさせるニュースとなった。(Football ZONE web編集部)

レアルMF中井卓大【写真:松岡健三郎】