「“アイドルの噂”ってみんな本当に信じてるのかな? それだったら逆にネタにしたら面白いと思って」。

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そう話すのはアイドルグループ・SUPER☆GiRLSの元メンバー、宮崎理奈だ。グループ卒業以降、舞台を中心に活躍する宮崎はプロデュース公演も行っており、その4作目となる舞台「MIX! こんなベタなことが私におこるなんて」 が2020年11月18日(水)より東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて上演を開始する。

アイドルグループで起こるさまざまな出来事や噂を笑いに変えたコメディーで、宮崎のほか、小嶋菜月上西恵、渡邉ひかる、増井みお、星波ら、アイドル出身の役者を中心に作られる、劇とライブのガールズ舞台となっている。

元々は今年5月上演であったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため公演を自粛し、仕切り直しての開催になる。今回のコロナ禍で舞台に対する気持ちが改めて沸き上がってきたという宮崎。プロデュースの苦楽から、“アイドルの噂”をネタにしたという今作の見どころなどを聞いた。

■ 笑顔になれる時間を届けたい

――ライブ、演劇、ミュージカルと各方面で公演が再開しています。皆さん、今回のコロナ禍を受けてステージへの気持ちは一層強くなっていると感じます。

宮崎理奈:ステージに対してはもちろんですが、私は笑顔を届けたいという気持ちがすごく強いです。

私自身も半年くらい仕事をできない状態になり、気分が沈む日も多くありました。家ではドラマや映画をよく観ていましたが、楽しいと思う反面、寂しくもあり…。テレビで観る楽しさと、生で観る楽しさって、やっぱり違うものなんですよね。演者、観客が同じ空間、時間を共有して楽しめるのが舞台の最大の醍醐味なので、テレビを観ることで感じてしまう寂しさというのがどうしてもありました。

生活の必要項目でいうと、舞台やライブは確かにずっと下のほうになると思うんです。でも、なくなったら絶対に寂しいもので、それはエンターテインメント全てがそうですよね。コロナ禍でエンタメがなくなって、好きなもので安らぐことができない、笑顔になれない生活って本当につらいなって改めて思い知りました。

今回の私のプロデュース公演はコメディーなので、今は早く幕が開けて、皆さんに笑いを届けたいという気持ちでいっぱいです。

――プロデュース公演は2017年「不思議の国のカンタータ」から数えて4作品目になります。ここまで続けてきてどんなお気持ちですか?

宮崎:ぶっちゃけ一回きりで終わりだと思っていたので、ここまで続くとは想像していなかったです。最初の「カンタータ」が本当に大変すぎて、もう二度とやりたくないと思いました(笑)。キャストのケアをしながらスタッフとの間にも立って、板挟みになることもありました。名ばかりプロデューサーだと思っていたら、意外とあれもこれもとやらされていましたね(苦笑)。

でも裏方の仕事をしてみて、つらいこともあったけど、いざ自分が作った作品に演者としても立ち、お客さんの笑顔を直に見られるというのは私だけの特権ですよね。この充実感は唯一無二だと思うので、今後も自分の力を出せる限りは続けていきたいです。

――今後、プロデュース方面に進みたいという気持ちは?

宮崎:引きずり込まれるのは確かなんですよ。でも、そっちに行ったら今度は絶対に表現者としての自分に寂しさを感じると思うんです。歌もお芝居もまだ全然やり切れていないし、まだスポットライトの下からは離れたくないかな。今しかできない仕事を大切にして、先々のことはやり切ったあとに考えたいと思います。

■ “アイドルの噂”をネタにしたコメディー

――今回のプロデュース公演について。コメディーということですが、どのような作品かを教えてください。

宮崎理奈:「カンタータ」は人の死や出会い、別れを描いたちょっと重いお話でしたけど、今回はびっくりするくらい真逆です。本当に笑いに特化していて、タイトル通り、「こんなにベタなことがずっと続くんかい!」っていう感じで最初から最後まで笑い続けられる作品です。劇中でのアイドルグループのお話になっていて、俗に言われる“アイドルの噂”っぽい部分がネタになっているんです。

――大丈夫ですか? なにか危険な香りが…。

宮崎:そう思うじゃないですか。でも“アイドルの噂”って、実際にはそんなことないですよ。ないのに、なんでそんなに言われるんだろうって。「みんな本当に信じてるの?」って、ずっと思っていたんですよね。

――ないんですか? 楽屋でハブったり、衣装が切られていたりとか。

宮崎:ないない! ないですよ、そんなこと(笑)。だから世間での噂がそうなんだったら、逆にそれを笑いに変えちゃおうって思ったんです。キャストはアイドル出身が中心だからテーマ的にも面白いし。

――アイドルファンにとってはどんなネタが出てくるのか興味が湧くところですね。

宮崎:びっくりするネタかもしれないけど、観終えたあとは絶対に面白かったと言ってもらえる作品です。セリフにはオタク用語も散りばめられているので、現場から離れている方は懐かしい気分になるかもしれないです。タイトルの「MIX」にもいろいろな意味があって、オタク用語の「ミックスを打つ」というのにも掛けてあったりするんです。

――なるほど。タイトルを見たとき、なんだろうと思っていました。そういうところの発案も宮崎さんですか?

宮崎:脚本の田中大祐さんと話しながらですが、最初は全く違う内容だったんです。元々は乙女ゲームの逆版で、「ときめきメモリアル」みたいなのでコメディーをしたいという相談をしていたんです。それからだいぶ変わりましたが、でも、台本を読んだら本当に面白くて、これは楽しい舞台になるぞって思いました。“笑い”って難しいじゃないですか。特にト書きの台本を読むだけで笑えることってあまりないので、けっこう“笑撃”でしたね。ゲラゲラ笑いながら読んでいました(笑)。

■ ライブは撮影オーケーも。“ベタおこ最高”で拡散を

――今回も二部構成で、一部が劇、二部がライブパートなんですよね?

宮崎理奈:はい。ミックスエンターテインメントとして、劇とライブの組み合わせは今後も変えずにいきたいこだわりです。二部では劇中のアイドルが飛び出してライブを行うというもので、いろんなアイドルグループ出身が集まった貴重なライブになっています。なかなか見られない並びだと思うし、ファンの方々はそれぞれのドルオタグッズを装備して来ていただきたいです。マスク着用で声出しはNGですけど、サイリウムはもちろんオーケーだし、推しのウチワとかTシャツとかも。

――今回のライブパートは撮影もオーケーだとか?

宮崎:そうです。キャスト全員参加の曲があって、それは撮影オーケーにしています。というか、撮るだけでなく、「#ベタおこ最高」でぜひ拡散してください!

――最後に、舞台タイトルにちなんで宮崎さんが体験した本当にあったベタな出来事を教えてください。

宮崎:えー、ありすぎるな。SUPER☆GiRLS時代のことなら、冬のライブでベタなハプニングが。その日は乾燥と寒さ対策でハンドクリームをけっこうな感じで塗っていたんですよ。で、ハンドクリームで滑ってマイクが飛んでいきました(笑)。

――本当にベタですね(笑)。

宮崎:そこから気付きましたね。ライブでハンドクリームは危険アイテムだって(笑)。でも、真冬のライブって死ぬほど寒いんですよ。タイツ二枚履きとか、ヒートテック二枚重ねとか余裕でしますよ。体が固まっちゃうと踊れないから。

――そういう“アイドルあるある”も面白いでね。

宮崎:今度はそういうネタもいいかもですね。でも、まずは「ベタおこ」を楽しんでください。日替わりネタもたくさんあるので、一回と言わず、二回、三回と観劇に来ていただけるとうれしいです。

舞台「MIX! こんなベタなことが私におこるなんて」 は2020年11月18日(水)~11月23日(月・祝)まで、東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて上演される。(ザテレビジョン・取材・文:鈴木康道)

11月18日(水)からのプロデュース公演を控える宮崎理奈にインタビュー