実力派・新世代ラッパー、Rin音。中高生を中心にSNS上で人気を集めた「snow jam」をきっかけに彼の音楽人生は変わったという。誰もが迫られる大きな選択を前に、強まる想い……Rin音の人となりを紐解いていく。

【動画】Rin音 「帚星飴店」


■僕の曲への接し方がこの曲で広まったんじゃないか

──2020年2月にリリースした「snow jam」は、MVの再生数が1,200万回を超えるヒットとなりました。同曲はRin音さんにとって、どのような存在になりましたか?

Rin音 僕の曲をどういう感じで聴いてもらうのが良いのかっていう、ひとつの例になった気がします。僕は面白い日記を書いているような感覚で歌詞を書いていて、「snow jam」もそのひとつだったんです。自分の意見を押しつけるんじゃなく、日々感じたことをつらつら書いて、「こんなことない?」っていう調子で歌詞を書く。その歌詞にみんなが共感してくれたと思うので、僕の曲の存在意義というか、僕の曲への接し方がこの曲で広まったんじゃないかと思います。

──「snow jam」のヒットで音楽活動に向き合う姿勢に変化はありましたか?

Rin音 ありました。僕はMCバトルが好きでラップを始めましたが、大学生就職活動もあるので、ひとつ作品を残したらもう楽曲は出さないつもりだったんです。そうしたら、1st EPが思いのほか評価されて。じゃあ、念願だったRhymeTubeさんにトラックを依頼しようと思って作ったのが「snow jam」だったんです。それが受け入れてもらえたから、もっと音楽で頑張れるかなと思って。「音楽をやりてえ」っていう気持ちはずっとくすぶってたんです。就職するか音楽するかでずっと迷ってて。そのときに「snow jam」で、「やっぱ音楽するしかねえ!」と思ってドンと踏み出せました。背中を押してくれた曲ですね。

お風呂練習でラップができるようになりました

──MCバトルにハマったのはいつ頃ですか?

Rin音 中3の終わりか、高1です。YouTubeに上がってるバトルを観て「やべえ、かっけー」と思って。「なんだこれ!? 新競技じゃん」と最初に思ったんです。で、俺もやりたいと思ったんですけど、まわりではラップがまったく流行ってなくて。だから、まずラップを聴く人を増やそうと思って、高校時代は地道な布教活動を続けて、高3でやっと学校のヤツらとサイファーできるようになったんです。

──ラップはどのように練習を?

Rin音 高校生RAP選手権を丸暗記するくらい観てたんで、そういう他人のバースお風呂でそのまんまコピーしてラップしてました。自分の頭にストックされてる言葉じゃないと即興で出てこないから、それをずっとやっていたらだんだんと自分のボキャブラリーも増えていって。どういう感じで小節を埋めたら良いかも独学で掴んで、そのお風呂練習でラップができるようになりました。

■最初はバトルにしか出ないと思っていたんで

──Rin音さんはメロディックなフロウが特徴だなと。それは何からの影響なのですか?

Rin音 入りはMCバトルですけど、音源作品を聴くようになってからはネットラップ界隈が好きになって。電波少女やJinmenusagiさんから入って、次に唾奇さんやネットラップじゃないほうにも行って、そこからNF Zesshoさんを聴くようになったんです。その中でもメロディックなフロウは電波少女さんの影響かも。電波少女のハシシさんの声って独特で早口がすごくカッコ良く聴こえるんです。僕もそういう感じでやってみたんですけど……なんかこれは違うなと思って。曲を何個も作っていくうちに落ち着いたのがこういう感じだったんです。

──そもそも、“Rin音”というMCネームはどこから来たものですか?

Rin音 “R”は本名のイニシャルで、“in 音”っていう意味です。最初はバトルにしか出ないと思っていたんでエントリーシートにパッと思いつきで書いた名前で(笑)

──“音の中にいるR”っていうことなんですね。

Rin音 そうです。そうしたらこんなことになっちゃって(笑)。英語のカッコ良い名前に憧れますけど、これで定着しちゃったから俺はRin音でこれからもやっていきます。

■自分を肯定することは他人も肯定する

──そして、9月にリリースした「帚星飴店」は、1stアルバム『swipe sheep』のタワーレコード初回特典だった曲ですね。

Rin音 これはアルバムの制作をダーッと詰めてやって、全部作業を終えた時点で作った曲だから、歌い出しが“今日も1日お疲れ様オレ”っていう(笑)アルバムを作ったあとの感想じゃないけど、いろんなことをやりながらアルバムを作って、「俺、頑張ったよね? よしよし」みたいな曲です。

──自分いたわりソング(笑)

Rin音 いたわるというか、自分を慰めることによって、みんなも慰められないかなって。「今日、自分頑張ったな」っていうときに聴いてくれたら、僕が癒したり、慰めてるような感じになるんじゃないかと思ったんです。僕は自分を肯定することは他人も肯定すると思っていて。自分を慰めている曲は他人も慰められると思うんです。

──「帚星飴店」でお気に入りのフレーズは?

Rin音 “俺がスーパーマンなら 多分、地球壊滅してるわ”っていうフレーズ。それくらい俺は面倒くさがり屋なんです。『swipe sheep』はアルバムの世界に入り込んで作っていたけど、これはいったん現実に戻って第三者的に自分を見て書いた曲だから、「こいつ、面倒くさがり屋だなぁ」って別の俺が見てる感じ。だから、自己紹介みたいな曲でもあるし、ダメな人ほど刺さる曲だと思います(笑)。「あー、もう疲れたー。なんもしたくない」って人に「俺も、俺も」って言いながら聴かせたいですね(笑)

INTERVIEW & TEXT BY 猪又 孝

【番組情報】
MUSIC ON! TV(エムオン!)にて放送
Recommend Artist -Rin音-

○初回
10/22(木)23:00~23:30

○リピート
11/09(月)24:30~25:00

MUSIC ON! TV(エムオン!)は、スカパー!ケーブルテレビでご覧いただける、音楽チャンネルです。

ライブ情報】
Rin音“swipe sheepRELEASE TOUR「色々あって初ツアーZeppになっちゃったツアー
[2021年]
01/22(金)福岡・Zepp Fukuoka
01/29(金)愛知・Zepp Nagoya
01/30(土)大阪・Zepp Osaka Bayside
02/07(日)東京・Zepp Tokyo

プロフィール
リンネ福岡県宗像市出身、1998年まれの新世代ラッパー。2020年1月22日、配信限定でリリースした1st EP『film drip』を全国流通で発売。同年2月に発表した「snow jam」で注目を集める。

リリース情報】
2020.09.09 ON SALE
DIGITAL SINGLE「箒星飴店」
(M-ON! MUSIC

掲載:M-ON! Press