『めぞん一刻』『うる星やつら』『らんま1/2』など数々のヒットマンガで知られる高橋留美子。その盟友といえば。もちろんあだち充だ。『週刊少年サンデー』の二枚看板として活躍してきた二人。その仲の良さはよく知られているところだが、ツーショットが表に出ることはほとんどなかった。『ダ・ヴィンチ12月号では、実に31年ぶり(!!)となる対談が実現! さらに、あだち充高橋留美子作品のヒロインを描き、高橋留美子あだち充作品のヒロインを描いたという貴重な色紙をなんと読者にプレゼントするという夢のスペシャル企画が掲載されている。

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――お互いの作品の魅力とは?

【高橋】 あだち先生の場合、ネーム(台詞)を削って削って、雰囲気で読ませていく。空気感を伝える表現がものすごく巧みだから、読んでいて気持ちよくなりますね。いい風に吹かれたような。

【あだち】 ありがたいですね。そうありたい、と思って描いてますので。

【高橋】 私は逆に、詰め込み型なので。小技とか、凝縮度とかで勝負してます。

【あだち】 マンガの中にあれだけの数のキャラクターを出すのは、異常ですよ(笑)。集合絵なんてもう、ものすごい迫力で。

【高橋】 あだち先生の空間は、女の子一人がぽっとたたずんでいるだけで成立するんですよ。あの空間の持たせ方は、私には絶対できないですね。

【あだち】 そう受け取ってもらえればこっちのもんです。長い年月かけて、描かないことを芸にしちゃったんで(笑)。僕は、高橋先生の短編が特に好きなんです。『高橋留美子劇場』(『ビッグコミックオリジナル』に不定期掲載している読み切り短編シリーズ)に入ってるような。しょぼくれたおじさんおばさん描かせたらね、マンガ界で並ぶ人はいない! 猫背のサラリーマンとかね。

【高橋】 枯れたおっさんを描くの、好きなんです(笑)。そういう人が、「今までどんな人生をたどってきたんだろう?」と考えるのが好きなんですよ。

【あだち】 この人は、世間をどんなふうに見てるんだろう。怖いよね(笑)。でも、「それ以上やったらダメだろう」みたいなことは決してやらない人だから、安心して読める。

【高橋】 ハッピーエンドであることにはこだわってます。結末はその方向で決まってるんだけど、そこに至る過程というのは、できればなるたけバタバタしてたほうがいい。そうすると、ダメな人がいっぱい出てくるんです(笑)。自分の中で、愛せるダメな人たちですけどね。

【あだち】 自分の描くキャラは、好きにならないと描いていて辛いですから。読後感の良さは自分も求めているし、結構似てる部分があるのかな。

 ファンならずとも垂涎もののサイン色紙の応募方法は同誌に掲載。特集ではほかにも、俳優・中村蒼による犬夜叉グラビアや、高橋留美子による特別描き下ろしマンガ京極夏彦との対談、高橋留美子ロングインタビューなど、豪華企画が掲載されている。


構成・取材・文=松井美緒/ダ・ヴィンチ12月号「大人の高橋留美子だっちゃ!」特集

『ダ・ヴィンチ』12月号(メディアファクトリー)