観光地としてのポテンシャルを持ちつつも、「Suica」などの全国共通交通ICカードが未対応だったという愛媛・南予地域。ここで、利便性が大きく向上しそうな鉄道とバスのフリーパスが試験導入されます。

12月31日まで実証

KDDIANA全日空)、JR四国伊予鉄バス、宇和島自動車愛媛県バス協会、石崎汽船など9者が2020年10月15日(木)、同県南予地域を対象に、観光型MaaSの実証実験を実施すると発表しました。期間は10月29日(木)から12月31日(木)までで、将来的に実装を目指します。

MaaSは「Mobility as a Service」の略で、様々な移動(モビリティ)をひとつのサービスとして捉え、利用者に提供する概念です。複数の交通手段の手続きを最適に組み合わせ、一度に購入できるよう目指すことで、観光客の利便性や満足度向上を目指すといいます。

実験の目玉となるのは、南予地域のJRおよび伊予鉄グループ、宇和島自動車が運行する路線バスなどが乗り放題となるデジタルフリーパス「えひめ いやしの南予デジタルフリーパス」です。

「南予地域は、お城や風光明媚な風景など観光地域としての可能性を秘めているものの、交通機関が『Suica』などの全国共通交通ICカード未対応です。設置に大きな費用がかかるので、これは難しい問題でした」。KDDI経営戦略本部の松野茂樹副本部長は、現状の同地域の課題をこのように説明します。

「えひめ いやしの南予デジタルフリーパス」は、駅やバス車内などに設置されるQRコードつきのステッカーに、スマートフォンをかざすことで購入が可能といいます。支払いはGooglePayやApple Payなども対応していることから、クレジットカードを取り出して入力する必要もないとのこと。「利用者としても簡単なことはもちろん、設備投資も安いことから事業者にとってもメリットがあります」と松野茂樹副本部長は話します。

また同フリーパスは、ANAアプリとも連携。松山空港広島空港を発着する航空券を持つ利用者が、アプリ上の「空港アクセスナビ」を開いた際、条件選択画面および検索結果画面に表示されたリンクからキャンペーンページへアクセス可能です。そこで観光型MaaSのデジタルフリーパスの購入、利用などに対応しているといいます。

南予観光型MaaS実証実験記者発表会の様子(2020年10月15日、乗りものニュース編集部撮影)。