「仕事できてもできなくても、かわいいから採用」
あの子は抱ける/抱けない」

 職場で一緒に働く仲間から、こんな形で評価されていると知ったら…。

 しかも影で話されているだけでなく、おおっぴらに話ていて耳に入ってくる環境だとしたら…。

【漫画で読む】顔やスタイルで他人を勝手に評価するホモソーシャルな職場の空気

 職場だけに限らず、こうした「誰かの見た目やスタイルを勝手に審査する」という風潮は様々なところで見られます。たとえば、バイト先。たとえば学校のクラスサークル。たとえば、たまたま誘われた飲み会で。

 思い返せば、面と向かって言われなくとも、なんとなく「見た目で判断されているな…」と感じて嫌な気持ちになったり、その空間にいることが怖くなってしまったり、そういう瞬間が私自身にもありました。

 また自分自身に対する評価ではなくても、誰かに対して見た目で「この人とはヤレる・ヤレない」というような発言があれば、「この人は自分に対してもそういう目で審査しているのだろう」と感じてしまいます。

 そのときに、たとえ「ヤレる、付き合える、ランキング上位」などポジティブな方向に審査結果がおりていたとしても、それは決して気持ちのいいものではありません。なぜなら、それは勝手に見た目を審査され、まるで私という身体が商品の品評会にかけられているような気持ちになるからです。

 残念ながらこうしたホモソーシャルな環境では、時に下ネタを交えながら女性(そして時には男性)をモノとして扱うことが許されてしまいます。

 またそうした空気に反論でもすれば、「モテない女の嫉妬」「若い女に嫉妬しているんだろう」などと解釈されてしまうこともありますよね。大学のサークルで見られる「華の一女・嫉妬の二女」などという考え方も、その一例。

 でも、この漫画の主人公がモヤモヤしたのは、決して嫉妬からではなりません。人の見た目に対してとやかくいうことはそもそも失礼なこと。にも関わらず、職場の同僚がおおっぴらに女性の見た目で評価し、モノのように扱うことに対して、違和感を持ったのです。女性は、誰かのモチベーションを上げるためのお飾りではないのですから。

 そして、あくまで「付き合いたいか、ヤレるか」というのも相互の同意に基づくものです。「一方的に決めつけて評価できる」という考え方を温存し、ノリで楽しむホモソーシャル価値観は、とても危険なものであると感じます。

 誰かを傷つけ、分断する仕方のコミュニケーションでしか仲間との絆を感じられないわけはありません。今回漫画をTwitterに掲載したところ、男性と思われるアカウントからも、たくさんコメントをいただきました。ホモソーシャルな空気に違和感を持つ人が増えてきたからこそ、次の世代にはもっとフェアで気持ちのいい空気を残していきたいと思います。

(漫画:keika、編集後記:伊藤まり

 パレットークでは、「こうあるべき」を、超えてゆく。をテーマに、LGBTQ+、フェミニズム、多様性について、漫画やインタビューを通して発信している。

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