このほどイギリスで、健康だったはずの少女が突然頭痛を訴えて病院に搬送された。少女は治療の甲斐なく2週間後に亡くなってしまった。周りの誰もが健康だと信じて疑わなかったわずか10歳の少女の突然すぎる死。「娘の頭の中で時限爆弾カチカチと時を刻んでいた」と語る母親の言葉に、多くの人が衝撃を受けている。『The Sun』『Mirror』などが伝えた。

エセックスに住む10歳の少女、メイシー・グッダーハムちゃん(Maisie Gooderham)の死が地元メディア『Cambridgeshire Live』により報じられた。

遡ること今年8月7日の汗ばむような暑い日、自宅にいたメイシーちゃんは母親のサリーさん(Sally、47)に「ママ、気分が悪いの」と告げると突如、その場に倒れてしまった。サリーさんと夫のイアンさん(Ian、51)はすぐに救急車を呼び、メイシーちゃんはケンブリッジにあるアデンブルックス病院へと搬送された。

医師はメイシーちゃんの脳に壊滅的な出血が起きていることを発見し、人工的な昏睡状態に置かれることとなった。健康だと思われたメイシーちゃんだったが、脳の中で動脈瘤が血管壁を損傷し脳内で出血が起きていたのだった。母親のサリーさんは、メイシーちゃんがこの事態になるまでに「何の兆候も見られたかった」と話している。

その後もメイシーちゃんは生命維持装置によって命をつなぎとめていたが、サリーさんとイアンさんは医師から「改善する見込みはない」と告げられた。夫妻は生命維持装置を外すという苦渋の決断をした。

メイシーちゃんとの別れの前日、夫妻は丸一日を一緒に過ごした。夜は病院から許可を取ってメイシーちゃんと同じベッドで過ごし、手と足にペイントして手拓と足拓をとり、できる限り思い出となる日を作った。そしてメイシーちゃんが倒れてから2週間後の8月21日、生命維持装置を外されて静かにこの世を去った。

メイシーちゃんの葬儀は9月18日にしめやかに行われた。ちなみにイギリスでは故人が亡くなってから1週間、時には2週間もの期間を置いて葬儀を行う場合もあるそうだ。

葬儀を終えて1か月が経ち、母親のサリーさんはようやくメイシーちゃんについて語ることができるようになったという。健康に見えたメイシーちゃんの死の原因となった動脈瘤について、サリーさんは「メイシーの頭の中で時限爆弾が爆発するまでの間、カチカチと時を刻んでいたのです。それはいつ爆発してもおかしくない状態だったのかもしれません」と語っている。

またパンデミックの大変な時期を過ごしてきたサリーさんとイアンさんだが、メイシーちゃんが亡くなる前の2~3か月間、自主隔離により自宅でメイシーちゃんと一緒に貴重な時間を過ごすことができたことが幸いだったと明かしている。

画像は『The Sun 2020年10月15日付「SCHOOLGIRL TRAGEDY Healthy girl, 10, collapsed and died after saying ‘Mummy, I don’t feel well’ as she suffered hidden brain injury」(Credit: JustGiving)』『Mirror 2020年10月15日付「Girl, 10, died with no warning because of ‘time bomb ticking in her head’」(Image: Sally Gooderham)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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