さいころ、ごはん茶わんに米粒が残っていると、「お米の神様に怒られるよ!」と叱られた記憶はありませんか? 日本では古くから、すべてのものに神が宿ると考えられ、八百万(やおよろず)の神としてあがめられてきました。八百万もいるんだったら、なかには変わった神様もいるんじゃないかと調べてみた結果、やっぱりいました! 今回はそんなちょっとユニークな「神様」を紹介します。

■ちょっと変わった5人の神様
田んぼにトイレに台所まで、あらゆる場所にいる日本の神様たち。今回は、あまり知られていない、5人の神様にスポットを当ててみました。

カツラの神様(関神社/東京・王子神社境内)
髪のひどい逆毛で悩む姉のため、「かもじ(カツラ)」を初めて考えた蝉丸法師が、ご祭神の関神社。自分の髪の毛の将来が不安な方は、早めに参詣しておくのも手かもしれません。でも、どんなに気になっても、参詣者の頭をチラチラ見るのはNGですよ!

メガネの神様(玉祖神社/山口)
メガネ屋さんの宣伝ではありません。かの有名な三種の神器の一つ、「まがたま」を作った玉祖命が、由緒正しきメガネの神様。レンズのことを「玉」と呼ぶことからメガネだけでなく、宝石やレンズ、カメラなどの守護神でもあるとか。メガネ女子からカメラ小僧まで、幅広く人気がありそうな神様です。

・ お菓子の神様(中嶋神社/兵庫)
スイーツ神社という、かわいい別名を持つ中嶋神社。第11代垂仁天皇から勅命を受けた田道間守命が、命がけで持ち帰った「不老長生の菓子」(橘の実)が、日本最初のお菓子だったことが始まりだとか。「毎日お菓子が食べられますように」とお願いする子ども、多そうですよね。

・ しょうがの神様 (波自加弥神社/石川)
食産神である波自加弥神(はじかみのかみ)が、こちらの神様。「はじかみ」とは、歯で噛んで辛いもの、つまり、しょうがやワサビさんしょうなどの古名で、日本で唯一の香辛料の神様なのだとか。料理の腕をあげたい人は、一度参詣するといいかもしれませんね。

・ お天気の神様(気象神社/東京・氷川神社境内)
「脱雨女」の絵馬がズラリと並ぶ、この神社の神様は、八意思兼命という知恵の神様。天照大神が隠れた天の岩戸を開ける方法を考えた神様で、暗闇を明るくする力を持った神様=お天気の神様となったとのこと。遠足や結婚式の前だけでなく、心が沈んだときにもすがりつきたくなる神様ですね。

■ 10月は全国的には「神無月」だけど一部では神在月!? 出雲に行かない神様もいるんです
全国の神様が出雲に集まるので、旧暦で10月は「神無月」(もう11月ですが......)。でも、出雲に行かない神様も、実はいるんです。反抗的......というわけでは、もちろんありません。留守番する神様として知られるのが、石川県の志乎神社の神様。こちらの鍵取大明神さまは、能登の神様が出張中、鍵を預かって留守番してくれるそう。それから長野県諏訪大社の諏訪明神さまは、そのあまりの巨体ぶりに、出雲に集まった神々から驚かれて「大変だから来なくていいよ」とされたとか、されないとか。この二つの地域では、10月のことを「神在月」と呼ぶそうですよ。

調べてみると面白い、神様の豆知識。ちょっと気が早いですが、来年の初詣は、神様目当てで選ぶのもアリかもしれませんね。でも一緒に行ったお相手への、神様ウンチクの語りすぎは、ほどほどに!

文●ごへい(エフスタイル)


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