菅内閣で行政改革担当大臣となった河野太郎氏は、就任直後に「脱はんこ」を打ち出した。平井卓也デジタル改革担当大臣もデジタル庁創設に向けて積極的に動いているが、日本のデジタル化は先進国としては遅れていると言えるだろう。中国メディアの百家号は19日、先進国である日本がデジタル化で遅れている理由を分析する記事を掲載した。

 記事は、日本がいかにアナログ好きの国かを紹介。公的な場では、どんな手続きをするにも「はんこ」が必要となり、公的な手続きを行う場合は常に持ち歩かなければならないと伝えた。日本がデジタル化を進めようとしたのは今回が初めてではないが、毎回成功してこなかった。今回は、コロナ禍の後押しもあってようやくその気運が高まったと言えるだろう。

 では、なぜ日本はデジタル化で後れをとってしまったのだろうか。記事は、「社会構造に問題がある」と指摘。戦後から始まり、すっかり安定してしまった慣習が多く、変えるなら根底から変えなければならないが、日本社会は安定を望み、役所には慣例に従うという悪習があるため難しいと分析した。

 例えば、日本は先進国のなかでもとりわけ公務員の数が少ないという傾向があるそうだ。確かに人口1000人あたりの公務員の数を比較してみると、日本は42.2人となっており、フランスの95.8人、米国の73.9人、ドイツの69.6人より大幅に少ないことがわかる。そのため、給付金の一件でも明らかになったが、人手が足りなくなると民間企業に作業を委託するという慣例があり、デジタル化が進まなかったと伝えている。

 日本のデジタル変革がなぜなかなか進まないのか、その理由については様々な議論があるが、新しいものは見切り発車でもすぐに取り入れてみる中国と日本は対照的だと言えるだろう。実際、中国はモバイル決済も早くに普及するなど、日本より進んでいる面も少なくない。この点では日本も中国に学べることがあるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本は先進国なのに! デジタル化が遅れている理由=中国