10月23日(金)より、東京・TOHOシネマズシャンテほかにて全国順次公開される、女優のニコールキッドマンが刑事役に初挑戦した最新作、映画「ストレイ・ドッグ」の冒頭映像が解禁された。

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本作の主人公である刑事エリン役のキッドマンは、特殊メイクをして、顔かたちを変え、激しい暴力シーンや銃撃戦にも動じず、かつてない汚れ役に挑戦している。キャラクターに複雑な陰影を与えたその演技は、「こんなキッドマンは見たことがない」などと、チャレンジ精神と演技力が高く評価された。

メガホンを取った日系女性監督のカリン・クサマは、脚本を読んで、役を熱望したキッドマンとタッグを組み、強烈かつ緊張感みなぎる演出で、LAノワールの世界を強烈なタッチで描き上げた。

今回、解禁された冒頭映像は、怒りと絶望に満ちた17年の歳月で、野良犬のような姿になってしまったエリンが、まぶしそうに目覚めるシーンから始まる。

たどたどしい足取りで向かった先は、早朝の放水路で、そのそばに立つ鉄塔の下には、腹ばいになった男の射殺体があった。死体のそばには38口径の拳銃と、防犯対策用の紫の染料がかかった1ドル紙幣があり、死体の首には3つの丸い入れ墨がほってあった。

「犯人を知ってる」と、謎めいた言葉をつぶやき、現場を後にするエリンに、酒におぼれて、手のつけようのないエリンをうとましく思っている同僚は、苦々しい表情で「なら教えてくれよ、刑事」と声をかける。

しかし、エリンは振り向きもせず、単独で犯人の行方を追う。

「撮影は、常に体当たりで進めていった。監督の熱意とパワーに感化されるかたちで、いい演技ができたわ」と、キッドマンは振り返る。

また、新生キッドマンを生み出したクサマ監督は、実際の犯罪多発地域を含む、ロサンゼルス全域でオールロケし、女性監督ならではの視点で、女刑事の激情と哀切を描き切っている。

■ 「ストレイ・ドッグ」ストーリー

LA市警の女性刑事エリン・ベル(ニコールキッドマン)。若き日の美しさはすでに遠い過去のものとなり、今は酒におぼれ、同僚や別れた夫、16歳の娘からもうとまれる孤独な人生を送っている。

ある日、エリンの元に差出人不明の封筒が届く。17年前、FBI捜査官クリスとともに、砂漠地帯に巣食う犯罪組織への潜入捜査を命じられたエリンは、そこで取り返しのつかない過ちを犯し、捜査は失敗。その罪悪感が、今なお、彼女の心をむしばみ続けていた。

封筒の中身は紫色に染まった1枚のドル紙幣。それは行方をくらました事件の主犯からの挑戦状だった。

過去に決着をつけるため、犯人を追う野良犬(ストレイ・ドッグ)と化したエリンは、灼熱の荒野へと車を走らせる。(ザテレビジョン

映画「ストレイ・ドッグ」で刑事役に初挑戦したニコール・キッドマン