昨年11月、耳の感染症に罹って薬を飲んだ女性が、全身の皮膚に爛れや水膨れを生じる「スティーヴンス・ジョンソン症候群」を発症した。皮膚は1年を経てもなお100%回復しておらず、女性は「この病気について多くの人に知ってもらいたい」と英メディア『Mirror』『The Sun』などに当時の自分の写真を公表し、自らの経験を語った。

米テキサス州ダラス在住のレイチェルキャリーさん(Rachel Carey、38)は昨年11月に耳の感染症を患い、医師に抗生剤のアモキシシリンと鎮痛薬パラセタモールアセトアミノフェン)を処方された。これまでにも何度か服用し何の問題もなかったレイチェルさんだが、午後7時頃に薬を飲むと気分が悪くなり、身体に痒みを覚えた。

翌朝、レイチェルさんは首や背中の皮膚が爛れて水膨れができているのに気付き、病院の緊急治療室を訪れた。しかし医師らは「問題ないでしょう」の一点張りで、レイチェルさんは翌日も、その翌日も医師の診断を仰いだが結果は同じだった。

4日目になるとレイチェルさんの皮膚の爛れはさらに悪化し、水膨れが広がって目や唇も腫れ始めた。レイチェルさんは再び病院へと足を運ぶと、そのまま火傷専門病棟に入院となった。

レイチェルさんはその後、12日間の入院を強いられており、入院中の様子を次のように振り返った。

「入院して6日過ぎた頃、医師は皮膚の組織を採取して検査を行いました。その結果、感染症や薬剤などがきっかけで全身の皮膚に水膨れやびらんを生じる『スティーヴンス・ジョンソン症候群』を患っていることが判明したのです。同じ薬を以前に服用したことはあったのですが、何故かあの時、私の身体は薬を拒絶したのです。」

「私の皮膚の色は変わり、全身が爛れて水膨れができて酷く痛みました。まるで全身を数千匹のヒアリに噛まれているような、身体の中から燃えているようなそんな痛みでした。爛れた皮膚は見ているだけでつらく、鏡で顔を見た時はそれが自分だと認識できないほどでした。まるで自分がモンスターにでもなったような気持ちで、今でもトラウマになっています。」

入院からもうすぐ1年になるレイチェルさんだが、今でも皮膚に傷跡が残って乾燥し肌の色は元に戻っていない。レイチェルさんは「こうしてメディアに登場することで、多くの人にこの病気について知ってもらいたい」と語り、こう続けた。

「私は1年前、3度も緊急治療室に行ったのです。でも医師らはスティーヴンス・ジョンソン症候群について知らなかった…。入院後はとてもよくしてもらいましたが、もっと早く処置ができていたらあれほど苦しまなくても済んだのでは…と思うのです。自分の経験をシェアすることで、もっと多くの人にこの病気について知ってもらえればと思っています。」

専門家によると、スティーヴンス・ジョンソン症候群は症状が出ると進行が非常に速く、早期に適切な治療を開始しないと生命に関わる場合もあるという。今年1月にも、アメリカの男性が2016年にうつ病治療薬でスティーヴンス・ジョンソン症候群を発症し、壮絶な闘病生活について語っていた

画像は『Mirror 2020年10月20日付「Ear drugs leave mum looking ‘like a monster’ with blisters bubbled across her face」(Image: CATERS NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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