中国のポータルサイト・百度に20日、「どうして毎年数千人の中国人が日本に帰化するのか」とする記事が掲載された。

 記事は、この12年間で4万1218人の中国人が日本に帰化しており、毎年平均でおよそ3400人になると紹介。その理由は様々であるとする一方で、日本で働く中国人が日本国籍取得を望む状況を代表しているとして、ある女性のエピソードを取り上げている。

 この女性は大学で卒業後に中国の電子関連企業で2年間働いたのち、日本の語学学校に留学し、日本の大学に入って卒業、中国に戻らず日本の企業に就職したという。その後転職した商社でキャリアアップを実現し、さらに英語を学ぶべくニューヨークに留学、再び日本に戻ってきたとのことで、朝鮮族であることから中国語、朝鮮語、日本語、英語の4言語を話せる日本でも貴重な人材になったと記事は紹介した。

 そして、この女性が日本への帰化を望み、決断した理由について「ずっと日本で仕事をして経験を積んできた。収入も安定し、ビジネス上の人間関係も日本で作った。今中国に戻っても日本と同じようには仕事ができないかもしれない。しかも、日本で年金や税金を払い続けてきた。そう考えると、日本人になったほうが将来メリットがあるはずだ」と本人が語ったことを伝えている。

 記事は、この女性が祖国である中国に対する愛着を失ったわけではないとした上で、女性の判断基準が「自分にとってメリットがあり、安定した生活を手に入れられるか」というものであり、その基準に沿って考えて日本人のほうがいいという結論に至ったに過ぎないと説明。「この女性の考え方にも、一定の道理があると言えるだろう」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

毎年たくさんの中国人が、日本の国籍を取得する理由=中国メディア