派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして強制性交罪に問われ、一審で懲役5年の実刑判決を受けた元俳優の新井浩文被告(41)。10月12日に控訴審の初公判が東京高裁で行われたものの、本人は出廷しなかった。

 控訴審では改めて弁護人が「新井は女性の言動から合意があると誤信しており、強制性交に当たるとの認識はなかった」などと無罪を主張。さらに「仮に有罪だったとしても、懲役5年は重すぎて不当だ」という主張が追加された。完全無罪は厳しいとみたか、実刑回避のため有罪となることを“譲歩”した形だ。

「一審では無罪を主張しつつも被害者に謝罪したり、『合意があると思った』と強弁するも『不安もあった』とこぼしたり、やや自己矛盾に陥っていました。『(派遣型マッサージ店は)グレーゾーンな店』と一方的に評し、『(女性は)言っていることがおかしい』とキレる場面もあった。自分の行為に冷静に向き合えていないのでは……と裁判官の心証を悪くしました。女性側は法廷で新井が真摯な態度を見せれば示談も考慮する構えでしたが、結局、交渉の余地を自ら閉ざすなど自滅した印象です」(司法担当記者)

 東京地裁は「合意があったと誤信するとは到底考え難い」「卑劣で悪質」と厳しく断じ、実刑を言い渡したのだった。控訴審は即日結審。通常、被告側が有罪判決を覆すのはかなり高いハードルがあるが、今回は切り札があるようだ。

示談金2000万円を提示

「弁護人が、被害者と民事上の和解が成立したと法廷で明らかにしたのです。これまでに新井側は示談金1000万円を申し出ていましたが、女性側が拒否したことで2000万円に倍増させました。女性はそれでも示談に応じなかったのですが、控訴審がコロナの影響で遅れ、今一度交渉を持つ時間が得られたのでは、との見方もあります」(同前)

 新井の代理人を務めてきたのは、趙誠峰弁護士。“刑事弁護界のレジェンド”と呼ばれ、ゴーン事件も担当した高野隆弁護士の愛弟子だ。

「趙氏は冤罪事件や外国人事件を積極的に手掛ける弁護士。HPではこれまで控訴審での逆転無罪3件を含め、無罪判決を7件獲得したと記しています」(同前)

 一般に被害者と示談や和解が成立すれば、実刑ではなく、執行猶予付きの判決が得られる可能性も生じる。

「その場合、法律上は懲役5年の判決にそのまま猶予は付けられない。そこで執行猶予付き判決では一番重い懲役3年、執行猶予5年が検討されるかもしれません」(法曹関係者)

 執行猶予獲得で芸能界復帰を目論んでいるとの観測も出ているが、果たして社会に受け入れられるか。控訴審の判決は11月17日に言い渡される。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月29日号)

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