夫を尾行する日は華やかオーラ控えめにダークカラークールにきめて——。雑誌『Marisol』(集英社)が提案する「夫の尾行コーデ」がネットで話題となっている。

MarisolONLINEの記事(10月1日配信)によると、ストーリーはこうだ。十五夜だった10月1日、夫とは自宅で一緒に過ごすはずだった。しかし、突然「飲み会になった」とドタキャン。「遅くなる」と言いつつ自家用車で深夜に帰宅した夫に違和感を抱き、妻は「明日は代休をとって、出社した夫の後を尾行することに決定!」と意気込む。

そんな尾行の日に提案するのは、ダークグレーのブラウスにタックの入った黒のテーパードパンツ。「ダークカラークールにきめて」と呼びかけており、ツイッターでは、「そんな人いる?」「まず落ち着いてほしい」とツッコミが相次いでいる。

パートナーの様子がおかしい時、ついつい「証拠を押さえてやる」を尾行を考える人もいるかもしれない。ただ、証拠を確保するために、何でもやっていいわけではない。尾行するに当たって注意すべき点を光安理絵弁護士に聞いた。

住居侵入罪」になる恐れも…

――不倫が疑われる配偶者を尾行することは、法的に問題ないでしょうか

私有地や建物内に入り込んでの撮影は違法です。住居侵入罪という犯罪にもなり得ますので、気を付けてください。一方で、公道上であとをつけて歩くこと自体が、明確に違法というわけではありません。

ただ、他の人々も目撃可能な場所であったとしても、写真や動画の撮影は、肖像権(許可なく撮影されたり、自らの写真を使用されたりしない権利)の侵害となり得ます。探偵のように、探偵業を届け出た上で行うのでない限り、避けたほうが無難ですね。

そうはいっても、証拠として残しておきたい場面に遭遇し、撮影することもあるでしょう。その場合、撮影した写真や動画は離婚協議の場でも証拠として使用できるのか、廃棄すべきなのか、弁護士に相談してください。

――GPSや盗聴器などを仕掛けるのは、問題ないでしょうか。

現時点の日本では、自宅や自分も使用している車に設置するのは違法とまではいえないでしょう。ただ、他人の敷地内や他人の車両に設置することは違法です。また状況によっては、プライバシー違反となる可能性もあり、慎重になる必要はあります。

「尾行は高度な技術」を要する

――不倫が疑われる場合、配偶者を尾行することは珍しくないのでしょうか

配偶者の尾行を試みるご相談者は確かにいます。最も多いのは探偵(興信所)に依頼した、という方です。

次によくあるのが、友人や親族に尾行や待ち伏せをお願いして、写真撮影してもらうケースです。おそらく、ご自身だと自分の姿形、乗っている車種・ナンバーから尾行が発覚してしまうかもしれない、と考えるからでしょう。

今回の事例のように、ご相談者自身で尾行したという方も少ないですがおられます。ご友人、あるいはご親族と一緒に、という方が多く、一人で行う方は少ない印象です。

ただ、尾行は高度な技術を要します。また、発覚した際にトラブルにもなりかねません。

配偶者の不貞が疑わしい場合、尾行により分かること以外にもLINE画像や領収書など、証拠になり得るものがあります。まずは、弁護士に相談することをおすすめします。

【取材協力弁護士
光安 理絵(みつやす・りえ)弁護士
大阪大学法学部、同大学院法学研究科修了後、パナソニック株式会社(旧松下電器産業株式会社)入社、本社法務本部配属。2003年司法試験合格、司法研修所を経て、東京地方検察庁、横浜地方検察庁において検察官として捜査・公判活動を行う。2007年に検察庁を退官し、仙台弁護士会に弁護士登録。現在、弁護士4名を擁するソレイユ総合法律事務所代表弁護士を務め、離婚事件、交通事故事件、刑事事件等を多数扱っている。
事務所名:ソレイユ総合法律事務所
事務所URLhttp://www.sendai-soleil.net/

女性ファッション誌「夫の尾行コーデ」が話題…不倫の証拠集め、どこまでやっていい?