脱北者で韓国紙・東亜日報の記者であるチュ・ソンハは24日、自身のYouTubeチャンネルライブ放送で、北朝鮮朝鮮労働党高官が金正恩委員長の命令で公開処刑されたとの同国内部からの情報を、スクープとして伝えた。遺体は、火炎放射器で焼かれたという。

チュ氏によれば、処刑されたのは党中央委員会の経済部長だという。経済部長の名前は詳らかでないとして、言及しなかった。

処刑の理由は、新型コロナウイルスの流入・拡散防止のための防疫対策違反だ。北朝鮮は現在、新型コロナの流入を防ぐためとして、中朝国境付近の緩衝地帯への出入りを厳禁している。違反者に対しては国境警備隊が躊躇なく銃撃を加えており、すでに死者が出たとする情報もある。

チュ氏によれば、経済部長は国境近くへ出張した際、業務のため緩衝地帯に入り、その後に平壌へ帰った。すると金正恩氏が、処刑命令を出した。理由は、緩衝地帯に入ったのに、隔離せず平壌へ戻ってきたからだという。つまり、新型コロナに感染する危険のある緩衝地帯に入ったからには、定められた機関の隔離を行わなければならないのに、それをしなかったことで、首都・平壌を感染の危険にさらしたということだ。

処刑は15日、平壌市郊外の中和(チュンファ)郡で行われたという。経済部長は党や行政機関の高官らが見守る中で銃殺され、遺体は火炎放射器で焼かれた。郊外で行われたのは、「ウイルスを持っているかもしれない人間を首都に置いておくわけにはいかない」とする金正恩氏の意向によるものだという。また、遺体を火炎放射器で焼いたのは、「消毒」のためだったそうだ。

10月10日に党創建70周年を記念して行われた閲兵式では、「一人の悪性ウイルス被害者もなく、みなが健康であってくれて本当にありがとうございます」と演説し、国民への感謝と謝罪の言葉を繰り返しながら涙さえ見せた金正恩氏だが、その残忍な本性が変わったわけではなかったということだ。

北朝鮮当局は、すでに多くの人々を防疫対策違反で処刑している。防疫対策とは本来、人々の命を救うためのものであるべきで、命を奪う根拠になってしまってはならないはずだ。

しかし、金正恩氏の解釈は違うのだろう。彼にとっての防疫対策は、彼が支配する体制を守るためのものなのだ。

金正恩(キム・ジョンウン)氏