文部科学省が発表した外国人留学生在籍状況調査によると、2019年5月1日時点での中国人留学生数は12万4436人だった。これら留学生の卒業後の進路は、主に中国へ帰国する人と日本に残って就職する人に分けられるだろう。中国の動画ポータルサイト西瓜視頻はこのほど、日本に残って就職することにした中国人女性が、その理由を紹介する動画を配信した。

 現在プログラマーだという女性は、日本で働くことにしたため、「なぜ帰国しないのか」とよく尋ねられるそうだ。女性は、日本で働く1つの大きな理由は「金銭的理由」と説明。北京や上海などの大都市では日本と比べて生活費がそれほど安いわけでもないのに、給料は日本よりずっと少ないと述べている。

 このほか、「日本では経験がなくてもゼロから人材を育ててくれる」ことも理由の1つだと説明。この点、中国では即戦力が求められるため経験がないと就職が難しいという。また、「なぜ帰国して祖国建設に貢献しないのか」と言われるそうだが、そもそも自分はたいした才能があるわけでもなく、むしろ祖国の足を引っ張らなければそれで良い方だと謙そん。帰国しないのは「決して祖国を愛していないからではない」と釈明している。

 海外に残って働くことにすると、愛国者ではないと言われることが多いのだろう。この動画に対し中国のネットユーザーからも「だったら一生帰ってくるな」「やっぱり帰国した方が良い。帰国する若者こそ愛国者」などのコメントが寄せられた。しかし、「みんな日本と中国の就職環境の違いが分かっていないのだ。帰国しないのは賢明」「出国して帰国しない人を責めるべきではない。状況に応じて自分の仕事と生活をきちんとして、心の中に中国があればそれで良いではないか」など擁護する意見も少なくなかった。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国人が語る「自分が日本に残り、中国に帰国しない理由」