全国で初めて、自転車あおり運転をしたとして男が逮捕されました。被疑者はもともと、自転車で危険な運転行為を繰り返していましたが、「自転車でのあおり運転」には、どのような罪が適用されるのでしょうか。

「妨害運転で逮捕」自転車での適用は全国初

埼玉県警交通指導課および上尾署は2020年10月26日(月)、自転車で妨害運転、いわゆる「あおり運転」を行ったとして、桶川市の33歳の男を逮捕しました。「あおり運転」で自転車の運転者を逮捕する事例は全国初とのことです。

逮捕された成島明彦容疑者は、10月5日に暴行容疑で逮捕されていました。今回、同日に桶川市内の交差点で、自転車により道路中央に飛び出すなどの蛇行運転を行ったことが、被害者の女性に対して「交通の危険を生じさせる恐れのある方法で自転車を運転した」として、再逮捕されました。

なお成島容疑者は本件以外にも、自転車による危険な運転行為を繰り返し、地元で「ひょっこり男」などとも呼ばれています。

埼玉県警によると、罪名は道路交通法第70条「安全運転義務違反」で、同法第117条2の2 11号の罰則が適用されます。仮に自動車の場合は、違反点数2点、反則金は普通自動車で9000円です。

あおり運転をめぐっては、2020年6月30日から改正道路交通法が試行され、妨害運転に対する罰則が創設されています。警察庁はその対象となる違反として以下の10類型を挙げています。

・1:通行区分違反
・2:急ブレーキ禁止違反
・3:車間距離不保持
・4:進路変更禁止違反
・5:追越し違反
・6:減光等義務違反
・7:警音器使用制限違反
・8:安全運転義務違反
・9:最低速度違反(高速自動車国道)
・10:高速自動車国道等駐停車違反

このうち6、9、10を除く7類型の違反について、千葉県警などは、自転車による行為でも該当するとしています。

自転車の運転者が初めて「あおり運転」で逮捕された。写真はイメージ(画像:写真AC)。