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治療法が確立されていない「サンフィリポ症候群」を患う12歳の息子のために、両親が大規模な募金活動を行っている。両親は『Yahoo News Australia』『People.com』などのメディアを通し「遺伝子治療の臨床試験を受けさせたい。どうか息子を助けて欲しい」と訴え、募金への協力を呼びかけている。

ペンシルベニア州に住む12歳コナー・ドビン君(Connor Dobbyn、12)は、5歳の時に自閉症スペクトラム障害と診断された。言葉の発達が遅かったコナー君は幼い時からスピーチセラピーを受けてきたが、両親は年を重ねる毎に同級生との発達の差を実感するようになり、昨年受けた遺伝子検査では今まで聞いたこともない病名を告げられた。

母親のメリッサ・ディ・キアッキオさん(Marisa DiChiacchio)は、「コナーは3歳半の時に一度遺伝子検査を受けており、その時は異常がありませんでした。でも昨年4月の遺伝子検査で『息子さんはサンフィリポ症候群(C型)です。これは寿命を縮める病気です』と電話で告知されたのです。私は酷く取り乱し、そのまま電話を切ってしまいました」と当時を振り返る。

ムコ多糖症III型「サンフィリポ症候群」は小児の認知症で、多くが2~6歳で発症する。進行が速く、発達遅滞や多動、退行が見られ、次第に睡眠障害、難聴、痙攣発作を伴うようになる。特定の酵素の欠如や機能不全が原因で起こる遺伝性疾患であることはわかっているが、治療法は確立されていない。オーストラリアを拠点に活動するリサーチグループ「サンフィリポ子供基金(Sanfilippo Children’s Foundation)」によると、平均寿命は12歳~20歳で呼吸器感染症などで亡くなるケースが多いという。

父親のマイク・ドビンさん(Mike Dobbyn)は、「コナーの病名を聞いた時は、まるで爆弾が落とされたような衝撃を受けました。コナーバスケットボールが大好きで、人に優しく誰からも愛される子です。今はまだ話をすることができますが、治療は一刻を争うのです」と語り、7月から大規模な募金キャンペーンを実施していることを明かした。

夫妻は今月7日にクラウドファンディングサイト『GoFundMe』のページを開設しており、そのなかでこう綴っている。

「この病気は子供のアルツハイマー型認知症と同じです。コナーから『話す、飲み込む、歩く』といった能力を奪い、身体の痙攣を起こし、動けなくするのです。コナーはこの先、痛みや痴呆と闘わなくてはならず、やがては死んでしまうのです。」

「現在この病気の治療法はありません。私たちはコナーの発達の遅れは、自閉症スペクトラム障害だと思っていた…。でもサンフィリポ症候群との診断が下った以上、現実と向き合わなくてはいけないのです。コナーにとっては1分、1秒が貴重なのです。」

「この病気は子供を持つ親にとって悪夢です。コナーの弟のキーナン(Keenan)は、兄の容態が悪化するのを見ているしかないのです。」

「でも私たちは、希望を見出しました。テキサス州ダラスの『UTサウスウェスタン』の研究者がサンフィリポ症候群(C型)の子供への臨床試験を開始します。今まで行われたことがない遺伝子治療ですが、もしかしたらコナーや、同じ病気を持つ子供たちを救うことができるかもしれないのです。」

「ただ、この治療を受けるには途方もない資金が必要で、これがコナーの人生で最初で最後のチャンスだと思っています。」

「私たちのゴール300万ドル(約3億1千万円)です。1ドルでもいい。あなたの協力が必要なのです! コナーのことをみんなに伝えて下さい。私たちは絶対これをやり遂げなくてはいけないのです。」

夫妻によるとサンフィリポ症候群は非常に稀で、大きな製薬会社は儲けが得られないことからあまり興味を示さないのだという。

「私たちや非営利団体が動くしかないのです。愛する我が子の時間が尽きる前にできるだけのことをしてあげたいと思っています」―そう力強く語る夫妻は、コナー君について知ってもらうためにYouTube動画を制作している。

また今月21日にはペンシルベニア州フィラルフィアの地元メディア『CBS Philly』でもコナー君のことが取り上げられ、数日で15万ドル(約1560万円)の寄付金が集まった。サイトには、このような温かい応援メッセージが寄せられている。

「私の5歳の孫も昨年、同じ病気と告知された。あなたの家族の気持ちはよくわかるし、愛を感じるよ。病気で寿命が短くなるなんて、こんな残酷なことはない。あなたの家族の動画を観て涙が止まらなかった。でもあなたは1人じゃない。私はあなたたちをサポートするし、コナー君のことをずっと見守っているよ。コナー君は私のスーパーヒーローだ。」
「負けないで。臨床試験が受けられるよう祈っているよ。」
「この話は多くの人に希望を与え、病気を知ってもらういい機会になると思う。病気の治療法が見つかることを願っている。」

画像は『Mirror 2020年10月26日付「Boy, 12, with ‘childhood dementia’ desperate for ‘one chance to change his fate’」(Image: Cure Sanfilippo Foundation)』『GoFundMe 2020年10月7日付「Save Connor」』『Yahoo News Australia 2020年10月25日付「‘100% fatal’: Family’s fight to save boy, 12, with ‘kids Alzheimer’s’」(Source: Supplied)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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