中国のポータルサイト・百度に28日、浙江省杭州市の西湖で和服を着ていた女性を叱責した年配女性に対して、ネットユーザーから批判的な意見が寄せられたとする記事が掲載された。

 記事は、先日同市の観光名所である西湖で一組の中国人カップルが写真を撮影していたところ、女性が和服を着ているのを見た通りすがりの年配女性が「かつて日本は中国でどれだけひどいことをしたのか知らないのか。和服など着てはいけない」と激しく叱責するトラブルがあったと紹介した。

 その上で、この件を知った中国のネットユーザーから「おばさん、そんなことをするべきではない」、「やりすぎだよ。大国たるものオープンかつ寛容な態度で自信を示さなければ。かつての日本の行為を連想させるようなセンシティブな場所でもないのだから、和服を着るなという批判は不条理だ」、「おばさんの家で初めて買ったテレビや洗濯機、冷蔵庫はきっと日本製だよ」など、年配女性の行動を行き過ぎと考える意見が寄せられたと伝えている。

 また、「年配の人は日本人による残虐な行為を自ら体験しているから日本人をひどく恨んでいるのだろう。ただ、その心情は今の若者が理解できるとは限らない」との感想も見られたことを紹介した。

 記事は一方で「ネット上で映像を見るのと、実際に目撃するのとでは感情が異なるかもしれない」とし、自分で実際に中国の街を和服姿の人が歩いているのを見た場合には「何を着ようと本人の自由」と割り切れるかどうかはわからないと伝えている。

 そして、今や中国は日本と国交を結んでいるものの、かつての日本人が中国で犯した過ちに対していまだに許せない人も少なからず存在し、特に自分の親や家族が日本の犠牲になったという高齢者の中には、今なお日本に対する恨みに満ちている人もいるということを改めて認識する必要があるとの見解を示した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

中国の観光地で「和服を着るな」と罵った女性、ネット上で支持得られず=中国メディア