18世紀末までに、人間の体が突然炎に包まれるという「人体自然発火現象」が一般的に報告されるようになり、医師たちがこの現象の危険要因と思われるものをまとめた。歴史季刊誌『ラファム』は、1799年に医師ピエール・ライアーによってまとめられた危険要因のリストを載せている。
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■人体自然発火現象の12の共通要因
1.犠牲者はたいてい60歳以上の高齢者。
2.犠牲者は太りすぎている。
3.犠牲者はあまり体を動かさない。
4.犠牲者はアルコール依存症。
5.男性より女性の方が自然発火しやすい。
6.現場には、たいていキャンドルや暖炉のような火種がある。
7.燃焼時間はとても速い。
8.消火は困難。
9.炎はものすごく焦げ臭い。
10.部屋のまわりは、厚く黄色い油脂でおおわれていた。
11.まず、胴体が燃えるが、頭と手足は無傷。
12.天気のいい日、夏よりも冬に起こる。
アルコール依存症が要因のひとつだということは、特に禁酒運動をしている人にとっては重大な問題だ。
18世紀、相当な酒飲みだと言われていた女性が、自然発火によって死んだという報告があり、19世紀には、季節を問わず酔っ払いが火に包まれるのは珍しいことではなくなった。禁酒法も、アルコールが自然発火の潜在的要因のひとつだとするこのリストを後押しした。
この雑誌の記事は、18世紀の自然発火のレポートだけでなく、このレポートと禁酒運動との関係について詳しく説明している。
さらに、このリストと最近の研究を比べて、この現象が本当なのかどうか、見極めようとしているのがおもしろい。
最近の研究からは、糖尿病に伴い、ケトーシスと呼ばれる、体内のケトン体が異常に増量し、臨床症状を示す状態が、人体を燃えやすくする可能性があることがわかり、アルコール依存症がこのケトーシスを引き起こすひとつの要因である可能性が高いことが注目されている。
自然発火体質の誰かの体を燃え上がらせるのは、殺人を隠蔽する残酷なやり方ではなかったのかもしれないのではと思わざるをえない。
via:The risk factors according to a 1799 physician
原文翻訳:konohazuku
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52120831.html
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