美しいエーゲ海の島でパラセーリング中だった10代の2人が、風に煽られて死亡するという痛ましい事故がギリシャで発生した。一緒にパラセーリングをしていたもう1人は重傷で、現在治療中だという。3人は法律で規定された人数と年齢のルールを破ってパラセーリングを行っていたことを『Mirror』『The Guardian』などが伝えている。

エーゲ海南部のギリシャ領に位置するロドス島で今月28日、パラセーリングを楽しんでいた3人が事故に遭った。3人は英ノーサンプトンシャーのケタリングからロドス島を訪れていたジェシカ・リー・ヘイズさん(Jessica Lee Hayes、15)とマイケル・コネリーさん(Michael Connelly、13)、そしてマイケルさんの兄ジェームズさん(James、15)だ。

3人は数日前から両親と共にロドス島のホテルに滞在していた。事故当日はジェシカさんの父親トニーさん(Tony)が見送り、3人はパラシュートを開きながらスピードボートに引っ張られるパラセーリングを楽しんでいた。

しかし正午頃、強い風に煽られてボートとパラシュートを繋いでいたロープが切れてしまい、3人は吹き飛ばされてしまった。のちに沿岸警備隊が、ロドス島の南東に位置するリンドスの岩の上で倒れている3人を発見し、消防隊に連絡した。3人は病院に搬送されたが、ジェシカさんとマイケルさんは死亡が確認され、ジェームズさんは意識不明の重体で危険な状態にあるという。

トニーさんは「事故の対応にあたっていた警察から『3人のうちジェームズさんが重体です』と言われ、他の2人は無事だと思い込んでいました。しかし約4時間後にジェシカマイケルが息を引き取った事実を告げられました。その間は無駄な希望を持たされていたことを知り、悔しいです」と辛い胸のうちを明かしている。

トニーさんは続けて「娘のジェシカは本当に美しく、人気者でした。いとこのマイケルも同じで、2人は私にとって特別な存在でした。同時に2人を亡くしてしまい、打ちのめされています」と吐露した。

のちにギリシャの沿岸警備隊は「事故に遭ってしまった3人は、上空400~500フィート(約120~150メートル)というかなり高い位置で飛行していました。パラシュートとボートを繋いでいた3人のロープが同時に切れるほど強い風は吹いていませんでした。風が3人を上空高く持ち上げ、岸壁に衝突してしまった可能性が高いです」とコメントを発表している。またギリシャでは、3人同時にパラセーリングをすることを法律で禁止しており、さらに年齢も16歳以上と制限している。よって違法な体制でパラセーリングが行われていたことが、今回の悲劇を招いてしまったようだ。

今回の事故でパラセーリングなどのマリンスポーツを管轄していた会社のオーナーであるニコスマリオス(Nikos Mallios、51)が逮捕された。現在も事故の原因について詳しい調査が進められている。

画像は『The Guardian 2020年10月28日付「Two British teenagers killed and third critically injured parasailing in Greece」(Photograph: robertharding/Alamy)』『Mirror 2020年10月29日付「Family of Brit teens killed in Greek parasailing accident ‘waved off’ kids before tragedy」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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