1日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、国会の所信表明演説で菅義偉総理大臣に浴びせられた野党議員の野次を容認するような内容を放送したことに、批判の声が相次いだ。

 菅総理の所信表明演説を放送した番組は、その中で日本学術会議の任命拒否問題に全く触れていないことを問題視した立憲民主党枝野幸男代表から「任命しなかった理由は何だったのですか。明確にお答えください」と質問をぶつける様子を放送する。

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 質問に対し、菅総理は「任命を行う際には総合的・俯瞰的な活動。すなわち専門分野にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動を行い」と答弁を始めるが、これに野党議員が激しい野次を浴びせる。そして、男性議員の「独裁者」という野次を、テロップで大きく表示した。

 さらに、番組は「菅総理が多様性という言葉を新たに持ち出した」とアナウンスした上で、「たとえば民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることも踏まえて、多様性が大事だということを念頭に、私が任命権者として判断を行ったものであります」と簡潔に答弁する菅総理の様子を放送。そして、野党議員が浴びせた「そんなこと法律に書いてないぞ」という声をまたもテロップで表示した。

 菅総理の演説については様々な意見があるが、視聴者は野党が浴びせた野次をテロップでクローズアップしたことに反応。「独裁者なんて野次は許せないし、それをテロップで表示するのはあり得ない」「自分たちに都合のいい野次をテロップ表示し容認して、与党の野次は問題視する。こんなダブルスタンダードがあって良いのか」「この番組は野次を容認するんだな」「多様性を認めないってことね」と憤りの声が続々と上がる。

 一方、「与党だってやってる。野次は許されて然るべき」「菅総理が訳のわからないことを言うのが悪い」「政権批判の野次を飛ばしたら弾圧されるのはおかしい」と擁護する声もあった。

 日本学術会議については菅総理が任命拒否したことで、その活動内容を疑問視する動きも広がり、拒否について賛同する人も多い。菅総理が任命拒否について説明しているにも関わらず、かき消すような形で浴びせられた野次をテロップ表示した番組に、違和感を覚える視聴者が多かった。

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