コロナ禍有効求人倍率は低下しているものの、3~5月と比較すると6月以降、徐々に採用活動を広げる企業が増えてきています。とはいえ、コロナで直接の影響を受ける業種では採用ハードルは極めて高く、そうでない業種についても、即戦力性の低い人材についての採用はかなり慎重になっているのは事実です

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 今回はコロナ下での転職市場と今後の面接対策についてお話ししたいと思います。

転職市場はどう変わっている?

 これから転職を検討される方についてはまず、同業種での転職を目指すのか、異業種への転職を目指すのかで、大きく難易度が変わることを承知のうえで、転職活動をすすめることお勧めいたします。

 ハードルが上がっているとはいえ、このような状況下で高いコストの発生する採用活動を継続できている企業は一般的には不況に強く、また、経営状況が安定している優良企業である確率が高いため、応募する側にとって有利な面は少なからずあります。

 難しい状況であるのは確かですが、転職を希望する方は前向きに転職活動を継続することが推奨されます。徐々に増えてきているのが動画面接やオンライン面接という形態です。ここではそれぞれの特徴と対策方法について説明いたします。

1)コロナ下での面接:動画面接

 動画面接は一般的に「一発撮り」の動画での面接で、候補者数が一定量集められる企業で実施される形態です。動画面接はWEBブラウザ上で実施され、画面に表示された質問事項に対し、回答していきます。あまり複雑な内容や質問をすることで内容を深めていくような形態にはマッチしないので、質問は極めてシンプルな内容になる場合が多いです。

ポイント
・質問事項はシンプル。難しいことは聞かれづらい
・雰囲気や話し方、身なりが面接の可否を決める
・動画では本人の論理性やコミュニケーション力を図るうえで不十分であるという認識は企業側も持っている。そのため、足切りの位置づけにされている場合が多い。
・AIでの動画判定を行おうとする動きがある

◆攻略方法
◇表情
……まず、緊張しすぎて硬い表情にならないことがポイントです。面接は一緒に働けるかどうか? ということが最大のポイントになります。緊張で硬い表情になると、「コミュニケーションが取りづらそうな人物だ……」という印象を与えてしまうからです。

◇目線
……目線はカメラに向けるようにしましょう。自分では下を向いているつもりがなくても、カメラの位置次第では下向きに見えてしまうが場合があります。

カメラセッティング
……動画面接ではカメラセッティングが重要です。次のポイントに気を付けてセッティングしましょう。1)高さカメラの位置をできるだけ顔の高さに置きましょう、2)顔の明るさに気を付けましょう、カメラから見て部屋の照明が自分より後方にある場合顔が暗くなってしまう傾向があります。

ぬいぐるみ、ポスター…背景に気を付けて

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 ぬいぐるみポスターの映り込みは面接官の集中力を奪います。

 動画面接についてはコロナ禍で導入した企業も少なく、企業側にも十分なノウハウが整っていないことも考えられます。そのため、どうしても、動画全体の雰囲気で動画面接の可否が決まってきてしまう可能性が否めません。あなたのスキルコミュニケーション力の実態が相手に十分に伝わるように、入念に準備しておくことが望ましいです。

 背景への映り込みなどは本人の実力と関係なく、住宅事情を考えるとやむをないのでは? という意見を転職者の方から聞くことがあります。確かに、それぞれの事情があるのは事実だと思いますが、ちょっとした工夫やモノの移動などで映り込みは防げるはずです

 自分がどう見られているのかについて敏感な方はこのようなことが自然にできる、つまりそれが優秀であるという構図で面接官が捉えることは容易に想像できるので、できる限りの対策をして面接に臨むことが必要です。この動画面接の攻略方法は後述するWEB面接でも応用可能です。

2)コロナ禍での面接:WEB面接

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 WEB面接はオンラインコミュニケーションツールを利用した面接形式です。録画を伴う場合もあります。一般的にビデオと音声の双方を利用した形式で行われます。ツールの種類は「Google meet」「Zoom」「Microsoft Teams」などがあります。

ポイント
・対面での面接と比較するとマナーの面が形式化されていない
タイムラグがあるため面接官も話しづらさを感じている

◆攻略方法
◇リアクション
……WEB面接では常にスムーズに音声が伝わり、コミュニケーションが取れている場合ばかりではありません。ネットワークの遅延が発生したり、一時的に音質・画質が低下したりする場合もあります。したがって、面接官の質問が聞き取れない、こちらの回答が正確に伝わらないといった問題が起こり得ます。

 質問が聞き取れない場合はもう一度聞き返す、また、こちらの回答が先方に伝わっているか判断するため、相手の言動を良く観察するといった気配りが必要です。現職でWEB会議を行っている場合、これらの点について意識的に取り組んでみましょう。

◇施設の利用
……コロナ禍テレワークが浸透する中、それを補助するサービスが増え始めています。例としてレンタルスペースカラオケボックスが挙げられます。テレワークのためのスペースとしてサービスを提供しているため、ネット環境は整っています。自宅のネットワーク環境に自信がない場合はこれらの施設を活用するのも選択肢のひとつです。

WEBカメラマイクイヤホンの購入
……PC付属のWEBカメラの活用でも問題ありませんが、外部ディスプレイなどを利用している方についてはWEBカメラの購入もおススメです。自身が明瞭に映る位置に取り付けて話すだけで印象は格段に変わってきます。

 また、面接官の質問が聞き取りにくい、こちらの回答が伝わらないなどの問題は、ネットワーク環境によるものだけではなく、マイクイヤホンの性能にも左右されます。PC備え付けの物よりも音が拾いやすくクリアに聞こえるマイクイヤホンを購入することも推奨されます。

カンニングペーパーの準備
……ここまでWEB面接における問題点を挙げてきましたが、実は有利な点もあります。それは、面接官に手元やデスクトップ画面を見られない点です。事前にカメラから見えない位置に想定質問への回答を記載したメモを貼る、企業概要のページを開いておき常に数字を確認できるようにするなどの準備を行い、安心して面接に臨める状態を作りましょう。

コロナ禍でも変わらない採用基準

チェックリスト

 コロナ禍とはいえ、企業側は自社に合う人材を獲得したいと思っているからこそ、求人を出していることには変わりはありません。オンラインか、そうでないかはあくまでもツールの話であって企業側が候補者に求めることは変わっていません。

 企業側の疑問は常に下記の3点です。

・自社で長く働いてくれるだろうか(すぐに辞めないだろうか)
・自社のカルチャーにフィットするだろうか?
スキルが足りているだろうか

 面接に臨む際には各回答が上記の3つのアピールにつながるように意識するだけで通過率は大幅に変わってきます。

 人事側も手探りの状況でオンライン面接のマナーもまだまだ、確立されていないといえるかと思います。だからこそ、できる準備を十分にすることでほかの候補者と差をつけられる状況であるといえます。コロナ禍を苦にしない転職活動を目指していきましょう。

TEXT/キャリアコンサルタント 丹羽大規>

【丹羽大規】

業家/声楽家(テノール)歌う実業家。株式会社Luceキャリアデザイン事業部ディレクター東京藝術大学声楽科テノール専攻卒業。一橋大学経営学修士コース(MBA)修了。2015年ベルテクス・パートナーズへコンサルタントとして参画。2018年より現職。声楽を川上洋司氏に師事。神奈川県出身。大学在学中より「音楽家が食べていける社会づくり」に関心を持ち、MBAとコンサルティング事業にて研鑽をつみ、キャリア支援サービス「ストリーデ」を開始

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