カジノ解禁がいよいよ現実のものとなりそうだ。

報道によると、安倍首相も参加する超党派のカジノ議連によるカジノ基本法案は、この臨時国会で提出予定であり、おおよそ可決される方向で動いている。

これにともなって、複数の企業が東京都お台場エリアにてカジノを含む総合型観光リゾートの建設を提案していることが報じられた。提案自体は昨年から行われていたが、11月8日のロイターの報道で広く知られた形になる。

目を引くのがこの提案を行っている企業だ。不動産や建設を手掛ける三井不動産や鹿島は分かるとして、なんとフジ・メディアホールディングス名乗りを挙げているのだ。

マスメディアカジノ運営に疑問の声

フジMHD言わずと知れたフジテレビのほか、出版社の扶桑社ラジオ局のニッポン放送などを傘下に収めている。

サンケイビルのような不動産開発デベロッパーも所属しているが、グループ売上の50%以上を占めるのは、やはりフジテレビを中心とした放送事業だ。

例えば2013年3月期の売上高6761億円のうち、放送事業は3520億円となっている。事実上、フジMHDフジテレビをコアとしたメディア会社と言っていいだろう。

こうしたことから、ネットでも「フジテレビカジノ事業に参加?」と驚く声も見られた。ツイッターなどでは

「提案した会社にフジテレビが入っているのが胡散臭く感じてしまう」
フジテレビカジノをするなら電波免許を返上しろ」

と、公共の電波を有するマスメディアカジノ事業に参加するのをいぶかる声もある。

海外にはカジノを運営するメディアもある

とはいえ、海外ではメディア企業がカジノ運営を行うことも珍しくない。

例えば、オーストラリアカジノ運営を行うクラウンリミテッドは、オーストラリア最大のメディアグループであるPBLのグループ会社だ。

ラスベガスカジノ事業やホテル事業を手掛けるMGMリゾートインターナショナルも、もともとはテレビ番組や映画の製作・供給を行うメトロゴールドウィンメイヤーから派生している(現在はグループから外れている)。

このように、世界を見渡せばメディア会社がカジノ事業に乗り出すことは特にタブーでもないのだ。

「ならば、フジMHDカジノ構想は成功するのか?」と言われると、そう簡単でもない。

ジャーナリストの伊藤博敏氏は、現代ビジネス上にてカジノ依存症やマネーロンダリング、未成年への悪影響といった問題が残されていることを指摘。また、お台場以外にも全国20か所以上の自治体カジノ誘致を検討していることを挙げ、

「フジMHDの“夢”に立ちはだかるカベは、相当に高い」

と見ている。

カジノ議連のまとめた基本法案には、運営業者を「免許制」とすることや運営業者を規制する「カジノ管理委員会」を設置することなどが盛り込まれている。民間企業だけに好き勝手はさせないぞ、というわけだ。

はたしてフジMHDが掲げるお台場カジノ構想は成功するのだろうか。

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