音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-(通称:ヒプマイ)』が、2020年9月26日からABEMAで月1レギュラー番組の配信を開始した。その名も『ヒプノシスマイク ~Division Variety Battle@ABEMA~(以下、ヒプバラ)』だ。

(参考:『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』第1章プレイレポート ディビジョンのカラーや人間関係の描かれ方に注目

 初回放送はイケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!」とオオサカ・ディビジョンどついたれ本舗」のメンバーが出演。ケンカ川柳Battleや激ムズご当地クイズウィスパーボイス対決など大いに盛り上がる企画が満載だった。そして、10月31日配信の第2回目はヨコハマディビジョン「MAD TRIGGER CREW」とナゴヤ・ディビジョンBad Ass Temple」のメンバーが出演する。

 リアルサウンドテックでは、「MAD TRIGGER CREW」から碧棺左馬刻役の浅沼晋太郎入間銃兎役の駒田航毒島メイソン理鶯役の神尾晋一郎、「Bad Ass Temple」から波羅夷空却役の葉山翔太、四十物十四役の榊原優希天国獄役の竹内栄治へ収録直後にインタビューを決行。バラエティ番組に出演してみての感想や『ヒプバラ』の注目ポイント、さらに『ヒプマイ』に対する今後の期待や展望について語ってもらった。

・収録前は緊張、収録中は爆笑

ーー インタビュー前に収録を見学させていただいたのですが、みなさんとても楽しそうでした。『ヒプバラ』収録はいかがでしたか? ヨコハマディビジョンのみなさんからお願いします。

浅沼晋太郎(以下、浅沼):初回の『ヒプバラ』がイケブクロとオオサカで、面白くないわけがない組み合わせだったじゃないですか。その後ということで、自分の中ではすごくハードルが上がっていて、最初はとてもプレッシャーを感じていたんですよ。

 でも、収録が始まると、そんな暇もなく楽しんでしまいましたね。それもこれも神尾さん駒ちゃんはもちろん、「Bad Ass Temple」の3人、MCを務めてくださったパンサーの向井(慧)さんと管(良太郎)さん、そしてスタッフさん全員に「楽しいモノをつくろう!」という空気が出来上がっていたから。あまり肩肘を張ることなく純粋に楽しんでいたので、今思い返すと「これ、視聴に耐えうるものになってるかな?」という心配も(笑)。これを見て、みなさんが楽しんでくださるかどうか……楽しんでくれますように、と願っています。

神尾晋一郎(以下、神尾):浅沼さんが言ったように、演者側が心から楽しんでしまいました。僕、笑うと泣いてしまうんですよ。とにかく全部笑ってしまってずっと泣いていたので、泣き跡を見たメイクさんから「どこで泣いたんですか?!」と言われました(笑)。それくらい楽しくて。

 バラエティという形で「Bad Ass Temple」の3人と絡むこともなかったので、すごい新鮮な気持ちでした。同時に久しぶりに3人と絡めて「そうそう、こんな感じだった!」と思い出しながら、また交流を深められたことへの楽しさもあった。そして、パンサーさんやスタッフさんがすごくいい味付けをしてくださったので、放送が楽しみです。僕らが心から楽しいと思ったということは、見ている人も楽しんでくれるんじゃないかなと思っています。駒ちゃんは?

駒田航(以下、駒田):本当にめちゃめちゃ笑わせてもらいました。スターティングからいたイケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュクの4ディビジョンと、後から追加されたオオサカ、ナゴヤの2ディビジョン。すでに濃密に関わりはあるし、“中の人”同士の仲もめちゃめちゃいいのですが、バラエティという形式で前回はイケブクロとオオサカ、今回はヨコハマとナゴヤと組み合わせを変えて、贅沢なことに毎回違うMCの方に回していただけると。こんな環境をつくってもらえて、存分に楽しませてもらえることが、とても幸せだなと思いました。

 『ヒプマイ』はラップコンテンツですけど、あえてラップを全面に出さずとも「キャストとスタッフのみなさんのチーム全員でこんなおもしろいことができるんだよ」と新しい扉を開けた感覚が個人的にはあって。なので、ぜひ長寿番組くらいになってくれたらいいなという気持ちでいます(笑)。

浅沼:以上、「MAD TRIGGER CREW」から収録の感想をお届けしました!

神尾&駒田:(笑)。

ーー ありがとうございます! ナゴヤ・ディビジョンのみなさんはいかがでしたか?

葉山翔太(以下、葉山):バラエティ番組は、小さい頃からテレビの中の世界と捉えていました。その中に飛び込ませていただけて、すごく緊張しました……。

 でも、パンサーの向井さんと菅さんがMCをしてくださって、竹内さんと榊原くんが同じチームにいてくれて、僕たち新しいディビジョンからしたら本当に大先輩の「MAD TRIGGER CREW」のみなさんがサポートしてくださって……僕自身が本当に楽しくなり過ぎてしまったのですが、視聴者のみなさんには『ヒプバラ』を見て毎日の疲れをぶっ飛ばして一緒に笑ってもらえたらうれしいなと思っています。

竹内栄治(以下、竹内):キャスト、スタッフさんのみんなでゲーム大会をしているような、そういう楽しさがありました。僕もすごく緊張していたのですが、「MAD TRIGGER CREW」の3人やチームメイトの葉山くんと榊原くん、そしてMCのパンサーのおふたりがすごく場を盛り上げてくれたので、だんだん緊張も解れていって。場の空気に慣れていけたかな、という気持ちです。

 本当にいろんないい経験をさせていただけているなと思える、すごく楽しい収録でした。またやりたいですね。

榊原優希(以下、榊原):最初はどんな風になるんだろうと思っていたのですが、収録が始まってみたら「なんてあったかいんだ! めちゃくちゃおもしろいし、なんだここは……!」とビックリしながら、全力で楽しみました。

 いろんな形で「MAD TRIGGER CREW」と「Bad Ass Temple」のみなさんと関われて、パンサーのおふたりとも関われて、スタジオの中でわちゃわちゃして。収録していることを忘れてしまうくらいの感覚で楽しめました。それで羽目を外した部分もあるかも……(笑)。視聴者のみなさんにも楽しんでいただけたらいいなと思っています。

浅沼:まさかあそこでズボンを脱ぐとはね……。

神尾:思わなかったですね。さすがにカットになっているとは思いますけどね。

駒田:でもまあ、これも『ヒプマイ』の良さなのかな……。

榊原:今日は勝負パンツだったので、大丈夫だと思います!

浅沼:お見逃しなく!……って誰か突っ込まないと信じちゃう人いるから!(笑)。

ーー (笑)。視聴者のみなさんに特に注目してもらいたいポイントを教えてください。

浅沼:どれも注目していただきたいですけど……特に打ち合わせもせず自然とリーダー対決(浅沼&葉山)、二番手対決(駒田&榊原)、三番手対決(神尾&竹内)になったのはおもしろかったですね。あとは何が見どころかな? アフレコ対決?

駒田:再現VTRのアフレコはおもしろかったですね。

浅沼:最後のゲームで再現VTRのアフレコ対決をしたんですよ。僕らが声優であるということを最大限に生かした企画を最後に持ってきたんだろうなと。「さすがスタッフさん」と思いましたね。

葉山:僕は、チーム対決で僕自身がナゴヤを一番信じていたところに注目してほしいです(笑)。

榊原&竹内:僕たちも信じてたよ!

葉山:あれ、本当ですか? 榊原くんはヨコハマのみなさんになびいてましたからね……。

榊原:信じていたゆえにね……!

浅沼:違うんですよ。僕もヨコハマは信じていました。ただ、それ以上に……(レコーダーに向かってなかなかの音量で)『ヒプノシスマイク』を信じているんです!

一同:(笑)。

浅沼:つまりそういうところが竹内くんや榊原くんにもあって、それがうっかり出てしまったんじゃないかな……っていうことでいかがでしょうか(笑)。

葉山:なるほど……ディビジョン愛ではなく作品愛が出たということですね。

 でも、どのコーナーも各ディビジョンのチームワークが出ているので、ぜひぜひ注目してもらいたいなと思います。

・『ヒプマイ』への期待、ファンへの思い

ーー 2020年は『ヒプバラ』だけでなく、10月からTVアニメ『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Rhyme Anima(以下、ヒプアニ)』や公式YouTubeチャンネルで新番組『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- HPNM(ヒプナマ) Hangout!』の放送が開始。アプリゲーム『ヒプノシスマイク- -Alternative Rap Battle(以下、ARB)』には、ついにオオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョンが追加されるなど、コンテンツの供給が尽きません。みなさんは『ヒプノシスマイク』というプロジェクトの今後に対し、どのような期待や展望を持たれていますか?

浅沼:このご時世なので、お客さまと僕たちが直接お会いできるようなイベントやライブができないからこそ、お家で楽しめるようなコンテンツを『ヒプマイ』はいっぱい発信しています。

 今はそういったコンテンツを楽しんでいただきながら、僕たちにぶつけるパワーを温存していただく。そして、いざライブやイベントができるとなったとき、足を運んでいただいて、大いに盛り上がってほしい。それが今一番望んでいることですね。

神尾:『ヒプバラ』や『ヒプアニ』が始まって、多くの人が『ヒプマイ』に触れていただけると思います。知名度がアップしていくことで、『ヒプマイ』を好きでいてくれた方はもちろん、これまで『ヒプマイ』を知らなかった新たなファンの方も増える。そうやって枝葉が広がっていくことで『ヒプノシスマイク』そのものが一つの文化として成熟して、歴史が形成されていく感じがカッコいいと思っています。今後もそういう風に続いていけたらいいなと期待しています。

駒田:『ヒプノシスマイク』はいろいろなことがとんとん拍子に進んでいってくれたと思うんです。CDという耳で楽しめることに特化したコンテンツから始まったからこそ、イベントやライブが難しいこのご時世でも不利に感じずにいられたのは、不幸中の幸いだなと。イベントやライブ以外でもさまざまなコンテンツが生まれていくから、その分僕らも貢献していかなければと感じています。

 『ヒプアニ』では用意していただいた新しい楽曲から刺激をもらえて、『ヒプバラ』ではパンサーさんのように一流の芸人さんたちにMCをしていただいたことで、これまで経験してこなかったことを試させてもらっている。経験値を足させてもらっている感覚があります。個人的には今後の展望はまだ分からないのですが、『ヒプマイ』でのこれまでの経験を踏まえて2021年もまた新しいことが始まるんだろうなと。何の確信もないのに、そんなことを期待している自分がいます。

葉山:つい先日『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rule the Stage -track.3-』を見に行かせていただいて、そこで生だからこその興奮や高ぶり、楽しさを感じました。

 いま、世の中がこういう状況ですけど、いつか必ずみなさんの前でみなさんと一緒に楽しめる場所を、僕たちもつくれるだろうと期待しています。ファンのみなさんも期待していると思いますし、僕自身も期待して高ぶっている気持ちがあるので(笑)、この気持ちをお互いにぶつけられる機会が早くできたらいいなという願いがあります。

竹内:後から入ったナゴヤ、オオサカは、『ARB』などのコンテンツでも後から追加されるため、ハードルが上がると感じることもあって。ハードルに対してどうにかチームの力を合わせて乗り越えていかないと思っています。

 僕ら自身、お客さんを目の前にしてのライブやイベントの経験をしていないので、ナゴヤとオオサカ以外のみなさんが経験してきた4thライブ(2019年9月7日、8日に大阪城ホールで開催されたライブ)までの熱量をまずは一度肌で感じたい。そしたら、もっとこういう展開をしていけたらいいなと今後のことが見えてくると思うので。早くお客さんたちの前で僕たちを見てもらえるようになればいいなと今は思っています。

榊原:とにかく、ライブに参加したい……!『ヒプノシスマイク』というコンテンツに参加する前から、なんてすごい勢いで拡大していくんだ! 突き進んでいくんだ! と思って見ていました。そして、僕自身も巻き込んでいただけて、一緒に盛り上げる機会をいただけた。一緒に盛り上げていくために何かしたい、という今の気持ちをぶつけられるのはライブやイベントだと思うので、早くできたらいいなと思っています。無事に今の状況が収束したとき、リアルでできなかった期間に溜めていたエネルギーを全てぶつけていきたいです。

ヨコハマ&ナゴヤの楽しむ姿に注目

ーー 最後に『ヒプバラ』の放送に向けて、リーダーのお二人からファンの方たちへ一言お願いします。

浅沼:(「葉山さんからどうぞ」とジェスチャー)

葉山:そうですね。ずっと浅沼さんからだったので僕から(笑)。

 8月にABEMAさんで配信された『ディビジョンリーダー大集結SP』では、脇に竹内さんと榊原くんがいない不安を感じていたのですが、今回は緩和されて本当に楽しくて。MCのパンサーのおふたりにトークを回していただきながら、とても賑やかにナゴヤ・ディビジョン感を出すことができたかなと思っています。ぜひぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです!

浅沼:「Bad Ass Temple」とは3月にABEMAで一緒にライブをやらせていただきましたが、ここまでがっつり絡んだことはまだありませんでした。僕らにとってもすごく新鮮でしたし、ファンのみなさんにとってもドリームマッチ的な感じでワクワクするものになっているかなと自負しています。残念ながらラップはしていないのですが(笑)、そうじゃない部分で、仲良く和気あいあいとわちゃわちゃしているところを楽しんでいただければと思います。

 そして、3回目にはシンジュク・ディビジョン、いつか来るであろうシブヤ・ディビジョンへの期待を膨らませるようになっている……はずだよね?

神尾:ですね!(笑)

浅沼:まだ、どう編集されて、どうオンエアされるかが全く分かっていませんが、どんな形でもとても楽しいものになっていると思います。お友達にも勧めてください、よろしくお願いします!

(阿部裕華)

撮影=三橋優美子