佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊らが出演する映画「サイレント・トーキョー」が12月4日(金)より公開。クリスマス・イブの東京で発生した連続爆破テロ事件を描くこの映画の公開に先駆けて、日本5都市のタワーをジャックした点灯式イベントが開催された。
【写真を見る】「東京に60年住んでてタワーに点灯する日が来るとは思わなかった」と東京タワーを見上げる佐藤浩市
イベントの会場となった東京タワー特設ステージには佐藤、石田、西島が登壇。ステージ上にはさっぽろテレビ塔、名古屋テレビ塔、京都タワー、博多ポートタワーが高さ2.5メートルのLEDパネルにリモート中継で映し出された。
西島はさっぽろテレビ塔と名古屋テレビ塔、石田は京都タワーと博多ポートタワー、佐藤は東京タワーのライトアップのスイッチを担当。一人ずつマスコミの撮影タイムが設けられたが、佐藤は「僕がいると、邪魔なカメラマンさんいる?(笑)」とおどけて、笑いを誘った。
無事に点灯を終え、佐藤は「不思議な気持ちですね。東京に60年住んでてずっと見てたタワーを点灯する日が来るとは思いもしませんでした」と感慨深げ。
石田は「リモートとはいえ責任重大だなと思ってたので、無事に点灯できてうれしいです」、西島は「クリスマスが来るんだなって実感しました。(東京タワー以外を)それぞれの場所で見ている方もいるはずですけど、離れていても共有できることがうれしいです」と語った。
■西島「スクランブル交差点のシーンの空気を作ったのは1000人の力」
完成した映画を見た感想を聞かれると、佐藤は「台本で結末を知っていても、こういう形に結実したかっていう驚きのある作品になってます。あの渋谷のスクランブル交差点でどういうことが起きるか、楽しみにしていただきたいです」とアピール。
続けて石田も「こう来たかと思いました。スピード感のある今までに見たことのない映画だなという感じですね」と言い、西島も「99分ノンストップで落ち着く間もなくラストまで突き進んでいくので、息を飲みながら見続けていました」と熱く語った。
作品の見どころとなる渋谷スクランブル交差点のシーンは、栃木・足利市のオープンセットで撮影されたことが司会者から明かされたが、そのシーンに出演しているのは西島のみ。
佐藤は「僕はいなかったけど、エキストラの方々を含めてワンカットワンカット一体になってるなと思いました」と称賛。
石田も「台本を読んだときからこのシーンが映画の肝だと思ったので、どういういう風に撮るんだろうと思っていたし、自分もその場にいたかったくらいです」と語った。
唯一、その現場を知る西島は「どこまで言っちゃっていいのかな(笑)。(CG合成だったので)現場にはビルも何もなかったんですよ。1000人くらいの役者さんがイメージを共有して撮影したのは、僕にとって大きな体験でした。1000人がタイミングを合わせるのってすごく大変だと思うんですけど、皆さんすごい集中力で臨んでくださって。あのシーンの渋谷の空気を作ったのは1000人の力です」と、労をねぎらった。
■佐藤「西島くんとは居酒屋の客同士、ゆり子さんが女将さんで(笑)」
これまでにも共演経験のある3人だが、次の機会に演じてみたい役を聞かれると、石田は「お二人と一緒のときはいつもかわいそうな過去を持っていたり、つらいお話に参加することが多くて(笑)。今度はめちゃくちゃ笑える物語、3人できょうだいの作品とかやりたいですね」と回答。
続けて「西島さんとは何度か夫婦役をやってますけど、いつもかわいそうな奥さん役なので、次は強くてバカバカしい奥さん役をやりたいです」とも語った。
西島は「浩市さんとはいつも国の命運を賭けるようなシーンが多いので、次回はもっとさりげない日常系の作品でごはんを食べたりしたいです。ゆり子さんとも、夫婦の日常的な物語を…それを見てだれが面白いんだっていうのはありますけど(笑)、意外と面白いんじゃないですかね。ささやかな喧嘩をしたりとか」と願望を。
佐藤は「西島くんとは居酒屋の隣同士でしゃべってるような役で、女将さんがゆり子さんとかね。二人で恋の鞘当てをするという…もう話できちゃいましたね(笑)」と言って、笑わせた。
また、理想のクリスマスについて、佐藤は「僕は親しい仲間たちと過ごせればいいかな。今のご時世ではなかなか難しいけど」とコメント。
石田は「今くらいの時期からもうクリスマスという感じ。年の最後にあってその1年を無事に過ごせたことを感謝する期間がクリスマスだと思うので、心穏やかに静かに過ごしたいです」と答えた。
さらに西島は「僕も心穏やかに家族で過ごたいですね。子どものころ、母親がケーキを作るのを手伝ってたのを思い出します。当時は店で売ってるケーキのほうがおいしそうだなと思ってましたけど、今となるとまたやってみたいなと思いますね」と懐かしんだ。
最後に改めて、映画のアピールを振られた佐藤は「劇場で見ると、迫力に圧倒される映画だと思います。今の時代、そういうことで興奮することも難しくなってますが、是非映画館に足を運んでください」と言って、イベントを締めた。
取材・文=青木孝司
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