2021年4月より、WOWOWプライムにて放送予定の「連続ドラマW 華麗なる一族」。このほど、本作の見どころの一つである“愛憎劇"を盛り上げる女性キャストとして、内田有紀と麻生祐未の出演が明らかになった。野心に満ちた愛人と、慎ましやかに万俵家を支える妻を、二人がどのように演じていくのか注目が集まりそうだ。

【写真を見る】高須相子役の内田有紀は、「自分でも見つけられなかった新しい顔を探し当てたい」と意気込みを!

これまで度々映像化されてきた山崎豊子の同名小説を、WOWOW開局30周年記念の一環として制作する本作。大阪万博を間近に控えた高度経済成長期の関西を舞台に、富と権力獲得の手段として関西の政財界で閨閥を張り巡らす阪神銀行の頭取・万俵大介を中心に、“華麗なる一族”の繁栄と崩壊を描く。

主演を務めるのは、自身も2021年にデビュー40周年を迎える中井貴一。壮大な野望の実現に向け突き進む大介の思いにより深く迫っていく本作で、中井が時に非情とも思える采配を振るう一族の当主を圧倒的な存在感で演じる。

先日、大介の長男であり、万俵コンツェルンの一翼を担う阪神特殊製鋼で高炉建設に尽力する専務・万俵鉄平を向井理が、大介の次男であり、いずれは頭取の座を継ぐであろう阪神銀行貸付課長・万俵銀平を藤ヶ谷太輔が演じることが発表され大きな話題に。そんな中、今回新たに“愛憎劇"の中心を担う二人が決定した。

■万俵家を裏で操る“恐怖の愛人”役に内田有紀!

まず、大介の愛人・高須相子を演じるのは内田有紀。万俵家のような富豪の家庭ではなく、中流の家庭に育った相子は、奨学金を得てアメリカの大学へ留学した経歴を持つ才色兼備な女性。豊かな教養と経歴を見込まれ、子供たちの家庭教師として万俵家にやってくる。

表向きは住み込みの家庭教師だが、裏では今後の阪神銀行を大きくし、そして万俵家のさらなる繁栄のため、息子や娘たちの縁談を司る「閨閥作り」に励んでいく。自身の持つ政官財界との繋がりを武器に、大介と共に政略的に組んだ閨閥は、着々とその実を結びつつある。

また、大介の愛人となったことで次第に家庭内を差配するようになり、いつしか鉄平が大介に頼みごとをする時でも、相子を通してしか言えなくなってしまったほど。相子自身も単なる愛人ではなく、「妻以上に大介にとって必要な存在である」という強烈な自負を持っている。

大介を手懐け、傀儡師のごとく万俵家を動かす相子に、鉄平ら家族は翻弄されていく。そして、相子が大介の妻である寧子の存在を蔑ろにすることで、二人の間には根深い確執が。抜群の美貌と策略を武器にのし上がらんとする相子をどのように演じるのか注目だ。

■公卿華族の血を引く“悲劇の本妻”には麻生祐未!

一方、大介の妻・寧子を演じるのは麻生祐未。京都の公卿華族・嵯峨子爵を父に持ち、戦前に老女付きで万俵家に嫁いだ元来の令嬢だ。だが、嵯峨家の実態は“公卿華族”という血統を唯一の財産にして娘たちを資産家へ嫁がせ、その余沢で華族生活を維持して来た京都の貧乏華族であった。

幼い時から老女が随き、世間知らずなまま万俵家に嫁がされた寧子は、戦後かつての執事や老女がいなくなったことで、家庭教師としてやってきた相子に妻や母としての地位をじわじわと侵食され、妻妾同居という奇異な生活を強いられるようになる。

大介と相子が愛人関係を築いたと知った時、寧子は今まで感じたことのない苦痛を覚える。それでも人と争ったり、自分を主張したりする強い意志を持たない彼女は、自分が妻や母としてやるべきことを相子に任せてしまっている後ろめたさもあり、何も言うことができずにいた。

それでも、家族の幸せを第一に願う寧子の姿を見てきた子供たちからは愛されており、感情を表に出さない銀平も寧子の平穏を常に祈ってきた。そして、悪夢のような毎日を送る寧子の虚ろな目の奥には、物語の終局へと繋がる大介と鉄平の“確執の秘密”が隠されている。

■高須相子役・内田有紀 コメント

――「華麗なる一族」高須相子役が決まった際の印象や、役柄への意気込みをお聞かせください。

高須相子は万俵家に関わるキーマンとして大切な役どころですが、彼女の芯の強さと、心の奥底にある女性としての寂しさを丁寧に表現していきたいと思います。また、彼女は私がこれまで演じたことのない女性像。40代の女優として、自分でも見つけられなかった新しい顔を探し当てたいと思ってます。

――最初に脚本を読まれた時の感想についてお聞かせください。

人間の持つ嫉妬や欲の恐ろしさが描かれており、読んでいて鳥肌が立ちながらどんどんページをめくっている自分がいました。万俵大介の息子までをも利用していく強欲さで、一族の繁栄の様子が描かれているこの世界観がどんなお芝居で表現されるのか、そんな期待に胸が躍りました。大介を通して、時代の波を作り出す当時の高度成長期の日本の様子も垣間見れて興味深かったです。

――視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。

「華麗なる一族」は過去に何度か映像化された名作です。1960年代の日本を舞台とした重厚なテーマが、現代の撮影技術による映像美と音響効果でまた更に進化した作品となって表現されると思います。私自身も今一度襟を正す思いで挑みますので、ぜひご期待ください。

■万俵寧子役・麻生祐未 コメント

――「華麗なる一族」万俵寧子役が決まった際の印象や、役柄への意気込みをお聞かせください。

「華麗なる一族」の一員に選ばれ、とても嬉しく光栄に思っています。今まで寧子を演じてこられた名優の方々に恥ずかしくないよう、慎重に演じたいと思います。

――最初に脚本を読まれた時の感想についてお聞かせください。

原作の面白さはそのままに、毎回この世界を覗きたくなるような展開に読んでいてワクワクしました。放送がとても楽しみです。

――視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。

時代や環境が違っても、家族や社会を取り巻く人間関係は、普遍的なもの。そんな人間模様の面白さが詰まった名作です。自由を制限された世界で、精一杯、寧子なりの幸せを見つけていきたいと思います。

■「連続ドラマW 華麗なる一族」ストーリー

高度経済成長期の日本。預金高10位にランクされる阪神銀行のオーナー頭取・万俵大介(中井貴一)は、銀行の他にも多くの事業を手掛ける万俵コンツェルンの総帥だった。大介は長女・一子の夫である大蔵省のエリート官僚・美馬から、都市銀行再編の動きを聞きつけ、生き残りを目指し大手銀行を吸収合併しようと画策する。

一方で、万俵家には大介の妻・寧子(麻生祐未)と阪神銀行と同じく万俵コンツェルンを支える柱の一つである阪神特殊製鋼の専務取締役の長男・鉄平(向井理)、阪神銀行に勤める次男・銀平(藤ヶ谷太輔)、次女・二子、三女・三子のほかに、長く同居する大介の愛人・相子(内田有紀)の存在があった。

家庭内で大きな力を持ち、万俵家の閨閥づくりを推し進める相子の存在を、鉄平たちは疎ましく思っていた。さらに鉄平は、悲願としていた高炉建設の融資をめぐって大介と対立し、二人は確執を深めていく…。

「華麗なる一族」追加キャストに、万俵大介の愛人と本妻が決定!