過激なダイエットは美髪の大敵⁈食事制限による髪への影響は?
過激なダイエットは美髪の大敵⁈食事制限による髪への影響は?

ダイエットを行う時には、カロリーコントロールと適度な運動を併用することで、筋肉量を落とさずに行うことでリバウンドを防げます。

しかし、食べる量を過度に制限すると、筋肉を分解してでも体内で必要なカロリーを賄うことになり、結果的に肌や髪にまで影響が出てしまいます。

では、なぜ過度な食事制限は、髪の健康にまで悪影響が出てしまうのでしょうか。

過度な食事制限が髪に及ぼす悪影響

ダイエットを行う際に過度な食事制限をすると、確かに体重は落ちるものの、筋肉を始めとする他の部分まで痩せてしまいがちです。

中でも髪に与える影響は、後にも響いてしまうので注意しなければなりません。

過度な食事制限により、全ての栄養素が必要量以下になると、主に次のような影響が髪に出てしまいます。

・脂質不足により頭皮から分泌される皮脂が減少して頭皮が乾燥する
・髪の生成に必要な栄養素が不足して休眠状態に入る毛母細胞が増えて薄毛になる
・頭皮の栄養素が不足して白髪が増える

健康な髪は常に頭皮で育成されているので、保湿と髪の成長に必要な栄養素が十分に足りていなければ弱ってしまいます。

過度な食事制限を行った後で、薄毛に悩まされてしまう人が増えることは、髪の成長サイクルに影響を与えているわけです。

過度な食事制限が髪に良くない理由

ダイエットを急ぐあまり食事制限を厳しくしてしまうと、身体の維持に必要な栄養素まで摂取できずに髪にも影響が出てしまいます。

髪は24時間常に毛母細胞で造られているので、髪の成分として必須のケラチンが不足すると、毛母細胞は休眠状態になりかねません。

ケラチン生成に必要なタンパク質・ビタミンB群・亜鉛は、身体に常に蓄積されているわけではなく、常に必要量を取り入れ続けなければならないわけです。

過度な食事制限によりケラチン生成に必要な量を賄えないと、生命維持に必要な活動を優先することになるので、髪の生成は後回しとなります。

また、食事制限を過剰に行ってしまうと、空腹がそのままストレスとなってしまい、ストレスにより抜け毛が促進されてしまうことが分かっています。

生命維持に必要な栄養素を体内で確保するためには、筋肉まで分解してアミノ酸として消費することになるわけです。

生命維持に必須ではない髪の成長を止めてでも身体の活動に必要な栄養素を体内から絞り出す状態になるからこそ、過度な食事制限は髪の質を落とす結果に繋がります。

美髪の為にダイエット中でも積極的にとるべき栄養素

ダイエット中であっても美しい髪を維持するためには、毎日摂取が必要な栄養素を確保しておく必要があります。

具体的には、タンパク質・ビタミン類・必須ミネラルの3点です。

髪に限定するならばタンパク質・ビタミンB群・亜鉛の3点ですが、頭皮の健康維持のためにはビタミン類と必須ミネラルを満遍なく摂取することは欠かせません。

また、タンパク質に関しては、糖質や脂質の摂取を制限しても減らさないことが重要です。

なぜなら、タンパク質は筋肉細胞や髪を生成するために必要であって、体内に糖質や脂質が不足していてもケトン代謝(注1)と呼ばれるエネルギー代謝により賄うことができるからです。

脂質と糖質はケトン代謝により相互に変換できますが、タンパク質は脂質や糖質からの変換はできず、タンパク質からは脂質や糖質を体内で合成することが可能です。

このため、美髪を維持するためにはタンパク質・ビタミン類・必須ミネラルが欠かせません。

ダイエット中でも、必要な栄養素はしっかり摂取しましょう!

(注1)ケトン代謝
脂肪が肝臓でケトン体に分解されることにより、体内でグリコーゲンの代わりにケトン体としてTCA回路によりエネルギーとして使用できることです。
人間がエネルギーとして使える物質は、ブドウ糖から作り出されたグリコーゲンと脂肪やタンパク質から分解合成されたケトン体の2種類があります。
グリコーゲンとケトン体はどちらも脳関門を突破できる物質として脳のエネルギー源としても消費可能です。

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