2.5次元舞台やバラエティ番組、声優などマルチに活躍する話題のイケメン兄弟・二葉 勇(ふたば ゆう/兄)と二葉 要(ふたば かなめ/弟)によるツインボーカルユニット・TWiN PARADOX(ツイン・パラドックス)が11月18日(水)にメジャー第2弾シングル「一回死んだようなもんじゃない」をリリースする。
インパクトのあるタイトルが付けられた表題曲は、前向きな歌詞が印象的なアッパーでダンサブルなナンバーで、“I live my life=自分らしく生きる”をテーマに、迷いを抱えている人に向けた応援ソング。カップリングの「アホなんとちゃうのん」は要から見た勇の日常を描いたというコミカルな一曲。ゆったりと流れるようなサウンドに乗る関西弁の歌詞とツッコミから垣間見れる彼らの素顔に思わずクスッとしてしまう。そして、勇が作詞した「夜を閉じる」は80年代トレンディドラマのワンシーンが浮かぶようなオシャレなサウンドが、今までのTWiN PARADOXの世界観をさらに広げるような楽曲に仕上がっている。
タイプの違う3曲を収録した意欲作についてふたりに話を聞いた。

取材・文 / 近藤明子 撮影 / 冨田望

◆生まれ変わった気持ちで本当にやりたいことに挑戦してみようと背中を押す

ーー 本作に収録されている3曲は、おふたりがそれぞれ作詞を担当されたそうですね。

【 二葉 勇 】 はい。TWiN PARADOXでは僕が歌詞を書くことが多くて、今までに要との“共作”はありましたが、まるっと一曲を要が作詞するのは今回が初めてです。TWiN PARADOXとしての新境地という意味でも、今回は要に「歌詞を書いてみて」とお願いしてみました。

ーー 「一回死んだようなもんじゃない」とは何ともインパクトのあるタイトルですね。

【 二葉 要 】 僕はAメロから順番に歌詞を書いていくんですけど、サビで“一回死んだようなもんじゃない”っていう言葉がポンッと出てきたんです。大きなテーマとしては、“I live my life=自分らしく生きる”があって、どっちをタイトルにするか迷ったんですけど、パッと見てインパクトがあるのはやっぱり、“一回死んだようなもんじゃない”だったので、このタイトルに決めました。

ーー インパクトが強すぎてタイトルを見た瞬間ドキッとしましたが、グルーヴ感のあるサウンドがとても心地良く、歌詞もとてもポジティブな内容だったので安心しました。「要さん、何か悩みでもあるのかな?」と心配しちゃいましたよ(笑)。

【 要 】 あはは! やりたいことができなかったり、夢に踏み出せない状況って“死んでいるようなもん”だと僕は思うんですよ。だったら、一回死んだと思えば何も怖くない。新たに生まれ変わった気持ちで本当にやりたいことに挑戦してみようよ、と背中を押すような応援ソングになっています。

ーー 勇さんは、この曲の歌詞を読んでどう感じましたか?

【 勇 】 要らしいまっすぐな言葉が心に届くいい歌詞だなと思いました。あとTWiN PARADOXの曲は英語のタイトルが多いので、その中でも「一回死んだようなもんじゃない」というタイトルは目立ちますし「このタイトルでいこう!」ってすんなり決まりましたね。

ーー 2曲目のカップリング曲「アホなんとちゃうのん」も要さんの作詞です。勇さんをモデルにした歌詞ですが、これは実話ですか?

【 要 】 すべて事実です(笑)。

ーー なぜ、勇さんをモデルに歌詞を書こうと思ったんでしょう?

【 要 】 最初は全然違う方向性で書き始めたんですけど、曲を聴いているうちに面白い歌詞をのせたいなってすごい思うようになって……。ものは試しで目の前にいた勇のことをパーッと箇条書きで書いていったら歌詞が完成しました(笑)。僕らには3つ上に兄がいるんですけど、完成したものを見せたら「過去イチの傑作ちゃうか!?」って大絶賛でしたね。

ーー 曲のモデルとなった勇さんは複雑な心境だったのでは?

【 勇 】 まぁ“勝手にプリン食べて怒られた”とか“鍵をかけずに置いといた自転車パクられた”とか、全部事実ですから反論できないですよね(笑)。

【 要 】 ホンマにアホなんですよ(笑)。

ーー アホと言いつつ、綴られた言葉の裏側には要さんの勇さんに対する愛情が感じられて“ほっこり”しますし、この曲を聴いたら勇さんのファンが増えそうだなって思いました。まさか母性本能くすぐり系の可愛い人だったとは。

【 要 】 えー、マジですか!? 俺は“こんなバカなヤツなんですよ”って書いて、みんなから叱咤激励を飛ばしてほしかったのに、勇の株が上がるなんて、ちょっとそれは狙いと違う(笑)。

ーー もちろん要さんの愛のあるツッコミに“どんだけお兄ちゃんのこと大好きなんだ”って伝わってきましたし、ますますツイパラのおふたりのファンになりました(笑)。

【 勇 】 初めて歌詞を読んだときは、正直「これ、世に出して大丈夫なのかな?」って思ったんですけど、ある意味、“僕らにしか書けない・僕らにしか表現できない世界観”ですからね。スタッフさんから「OK。この曲でいこう」って言われたときは「マジか!?」ってなったけど(笑)。いろんなアーティストの方に“愛した人のことを歌った曲”はありますけど、まさか自分のことを歌詞に書かれるなんて人生で初めてのことですし、書かれた側ってどんな気持ちなんやろうと思っていたけど、意外に嬉しいもんですね。

◆この振り幅がTWiN PARADOXの音楽のバリエーション

ーー そして3曲目に収録されている「夜を閉じる」は勇さん作詞ですね。今までのTWiN PARADOXの楽曲の延長線上にあるオシャレなイメージの曲ですね。

【 勇 】 そうですね。ちょっと都会風だけどレトロな感じというか……。曲を聴いたときに“都会で仕事や恋愛に疲れた大人の女性が、久しぶりに故郷に戻って静かな夜にお酒をたしなみながら彼のこととかを思い出している”という場面が思い浮かんだので、そのまま書いてみました。

ーー 夜を“閉じる”という表現が独特で印象的ですね。

【 勇 】 恋愛に終止符を“打つ”みたいな意味合いで、ひとつの物語の終わりを、読んでいた本を“閉じる”イメージです。

【 要 】 勇は小説のように情景が浮かんでくるような歌詞、僕は韻を踏んだり音に言葉を乗せて遊んでいるような歌詞と、まったくタイプの違う3曲になりました。この振り幅がTWiN PARADOXの音楽のバリエーションにもつながっていくように、今後は僕も積極的に歌詞を書いていきたいです。

ーー 今回のレコーディング時のエピソードもぜひ聞かせてください。

【 勇 】 「一回死んだようなもんじゃない」は、自分たちの声でコーラスもいっぱい重ねて録っていてすごく時間がかかったんですけど、苦労しただけあって今までの楽曲の中でも一番ゴージャスな仕上がりになっています。

【 要 】 「アホなんとちゃうのん」は、レコーディングの直前になって「普通に歌うだけじゃなく掛け合いを入れたい」と提案して急遽トライしたんですけど、結果、それがあの曲の面白さやあったかい空気を作ってくれたなって気に入ってます。ライブでも早く皆さんを前に披露したいですね。

ーー さきほどまでビジュアル撮影が行われていたそうですが、どんなジャケットが出来上がるのかも楽しみです。

【 要 】 今回のジャケットは、表題曲の「一回死んだようなもんじゃない」にちなんだビジュアルになる予定です。

ーー たとえばどんな点が?

【 勇 】 「一回死んだようなもんじゃない」にちなんで、僕が撮影前に骨折をしてしまったとかですかね(苦笑)。

【 一同 】 (大爆笑)

【 勇 】 撮影の数日前に不注意から腕を骨折してしまって、正直「撮影は無理なんじゃないか」と思ったんですけど、スタッフさんから「いや、逆にいいよ」と言われまして。

ーー 逆に? 何の逆?

【 勇 】 「“一回死んだようなもんじゃない”にちなんだ、いいものができるんじゃないか」ということですね(苦笑)。

【 要 】 誰がうまいこと言えと!? ものは言いようやな(苦笑)。

【 勇 】 スタッフさんにはご迷惑をおかけして本当に申し訳なく思っていますけど、なんだかんだで、テーマに沿った撮影ができたんじゃないかな、と(笑)。撮影前に骨折なんて、たぶんこれが人生で最初で最後の経験だと思うんですけど……。

【 要 】 ホント最後にして!(泣笑)

【 勇 】 あはは! まぁ、そんな感じのジャケットになると思います。頑張りました!

【 要 】 アホやわ~。やっぱ勇はアホや(笑)。

◆これほど皆さんから力をもらえてたのかと

ーー 今春のメジャー第1弾シングル「Gemini」リリース後、新型コロナウイルスの影響で決まっていた舞台やライブ、イベントなどすべてが中止となってしまいました。“よし、これから!”というときにエンタメがストップしてしまい、そのショックは大きかったと思いますが、ステイホーム期間中にどんなことを考えたとか、意識の変化などはありましたか?

【 要 】 外出がままならない状況のなかで“エンタメの在り方”みたいなものも今後は変わっていくだろうなと肌で感じましたし、それについて考える時間もいっぱいあったので、とにかくふたりで今やるべきこと、今後のことを話し合いました。それで、自宅でできること……インスタの生配信の回数を増やしてみたり、歌や芝居の勉強をしたりしていましたね。今も新たな挑戦に向けてスタッフさんと相談しながらいろいろ準備を進めています。

【 勇 】 メジャーデビューしたタイミングで決まっていたすべてのスケジュールが白紙になってしまったときは、正直心が折れそうになったんですけど、僕の気持ちが下がっているなかでも、ファンの皆さんが前向きにTWiN PARADOXのことを応援してくれていて本当に助けられました。感謝しています。「立ち止まってしまったら皆さんの気持ちが離れていってしまうんじゃないか?」と不安だったけど、そういうこともなく。日頃「皆さんを元気にしたい」と言っていた僕らですけど、逆に背中を押してもらって下を向くことなく前向きに日々を過ごすことができました。あと、今までは舞台のオファーをいただいたり、スタッフさんがライブを手配してくれたり、“仕事があるのが当たり前”のようになっていたけれど、これからは自分たちで動かないと、この状況を変えられないんだ、と意識が変わったのは大きかったですね。自分たちで考えて、いろんなことにチャレンジしようって、あらためて初心に帰った期間になりました。

ーー エンタメ業界も新たな形でリモートの演劇やイベントなども始まりました。慣れないなかでの活動も大変だったと思います。

【 要 】 無観客でイベント配信もやりましたが、目の前に誰もいない状態で歌うのって本当に寂しいんです。直接お客様と会うことで、これほど皆さんから力をもらえてたのかと感じました。でもいいこともあって、画面越しに人を楽しませるためにはトークも歌唱力も、もっともっと磨かないと伝えられないと感じられましたし、配信された映像を見返して、自分の歌とかパフォーマンスに向き合い、高めようと意識するようになりました。

【 勇 】 僕たちは双子で、関西人で、まぁしゃべりも好きやし、もしかしたらすごくリモートに向いてるタイプなのかもしれないとかも思えたし(笑)。今まで音楽と芝居にフォーカスを当ててやってきたけど、少し自由度みたいなものが出てきたように感じます。気づけた部分がたくさんあったので、デビュー直後のこの時期に悔しさも含めた貴重な経験ができたことは、僕らにとってすごく良かったと思いますね。

◆2020年は、人生の中で何回目かの“激動の年”になった

ーー 2月に予定され延期となっていたワンマンライブは、11月22日(日)に開催が決定しました。ちょっと早いですが、意気込みを聞かせてください。

【 要 】 ステイホーム期間で有り余っていたエネルギーを爆発させたいです!(笑)お客様の“待ってました!”というエネルギーに負けないぐらいの熱量を持ってステージに立ちたいですね。久しぶりのステージで緊張するかもしれないけれど、ただただ皆さんを楽しませることだけに全力を注いで頑張ります!

【 勇 】 前回のライブタイトル「Gemin」に“+”が付いたということで、今までの僕たちに様々なものをプラスした、洗練されたパフォーマンスを見せれたらなと思ってます。会場に来られない方は配信も予定しているので、ぜひご覧になっていただきたいです。

ーー 今年も残り数ヵ月となりましたので、最後に、2020年を振り返ってひとことと2021年の目標を聞かせてください。

【 勇 】 2020年は、僕の人生の中で何回目かの“激動の年”になりました。ひとつ目は大学を辞めて音楽活動を始めた年。次が芝居を始めるきっかけになった劇団番町ボーイズ☆に所属した年。そしてTWiN PARADOXが始まった年と、メジャーデビューした今年。まぁ今年は自分の意思で決めた“激動”ではなく、ある意味“試練”ですけど、自分自身を見つめ直して成長するきっかけになった年でもあると思います。今の状況だと、来年もどうなるかわかりませんけど、歌や芝居に限らず、TWiN PARADOXの良さを多くの方に知ってもらえるコンテンツを増やして頑張っていきたいなと思ってます。

【 要 】 今年は、世の中のすべてがSTOPして、まさしく“一回死んだようなもんじゃない”の年だったなと(苦笑)。焦った時期もありましたが、一回そうやって割り切って、新たにまた一歩を踏み出せばいいかっていうふうに切り替えることができました。そして、自分と向き合うことで精神的に少し強くなれた気がします。来年は、エンタメの復活を願いつつ、さらにレベルアップしている僕らをお見せできるように頑張ります!

TWiN PARADOXの新曲「一回死んだようなもんじゃない」。苦しい時間を乗り越えた“今”だからこそ書けた応援ソングは、WHAT's IN? tokyoへ。
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掲載:M-ON! Press