明治安田生命J1リーグ第32節、ガンバ大阪vsヴィッセル神戸が11日にパナソニックスタジアム吹田で行われ、ホームのG大阪が1-0で勝利した。

前節、敵地で行われたセレッソ大阪との大阪ダービーを1-1のドローで終えた2位のG大阪は、3連勝こそストップしたものの11戦無敗を継続。その一戦からはベンチ外となった井手口に代えてユース育ちの奥野をJ1デビューさせた以外、同じメンバーを起用した。

一方、横浜FCとの前節を1-2で競り負け連敗中で11位の神戸は、4戦全勝中と相性が良いパナスタでの一戦で3戦ぶりの白星を狙った。中2日のアウェイ4連戦目という過密日程を受け、三浦監督は山川、佐々木を除く先発9人を変更。アンドレス・イニエスタや山口ら主力をベンチに置き、今季初出場の中坂、田中や小田と若手と控えメンバー中心のスカッドで臨んだ。

今季2度目の阪神ダービーG大阪が予想通りの[4-4-2]で臨んだのに対して、神戸は大崎をボランチに配し、前線に田中と佐々木を2トップに配した可変式の[4-4-2]を採用。開始直後はホームチームのプレッシャーが嵌り、5分にはボックス付近の宇佐美がファーストシュートを放った。

その後は神戸のビルドアップが安定し始め、ホームチームのプレッシャーを剥がして相手陣内深くまで持ち込む場面が増えていく。11分にはセットプレーの流れからボックス左でこぼれ球を拾った大崎のシュート性のクロスが枠に向かうが、ここは奥野のブロックに遭う。さらに、飲水タイム前後では安井、中坂といずれも左サイドからのチャンスメークでボックス内の佐々木に続けて決定機が訪れるが、シュートを枠に飛ばせない。

一方、16分に小野瀬の決定的なヘディングシュートが阻まれて以降、なかなか決定機まで持ち込めずにいたG大阪だが、好調を維持する頼もしい2トップがワンチャンスを生かす。27分、相手陣内左サイドでボールを持った宇佐美がボックス付近まで運び、内に走り込んだパトリックの足元に短いマイナスのパスを繋ぐ。ここでパトリックが素早く右足を振り抜くと、DF菊池にディフレクトしたシュートがゴール右隅に決まった。

その後はビハインドを追う神戸がボールを持つ時間が長くなるが、G大阪も失点前のように崩される場面はなく拮抗した展開が続く。前半終了間際の43分には神戸が相手陣内右サイドで得たFKの場面で、キッカーの初瀬が左足インスウィングで入れたボールをニアの味方が頭でフリック。これに反応した大外の大崎が右足ワンタッチで押し込むが、ここはオフサイドの判定でゴールは認められず。

互いに選手交代なしで迎えた後半はホームのG大阪が押し込む立ち上がりに。49分にはパトリックとの連係でボックス左に持ち込んだ宇佐美がニア下を狙ったシュートを放つが、ここはGK前川のセーブに遭う。

さらに、宇佐美パトリックの2トップが良い距離感、関係性で起点を作り、効果的なカウンターを繰り出していく。54分には山本の浮き球のパスに抜け出した小野瀬がボックス右でシュートチャンスも、ここはGK前川のビッグセーブに遭う。続く58分には波状攻撃からボックス左の宇佐美がファーポストを狙った決定的なシュートを放つが、今度はDF菊地のブロックに阻まれる。

後半に入って劣勢が続く神戸は60分、中坂、佐々木、安井に代えて温存していたイニエスタ、山口、古橋を一気に投入。この交代から古橋らのスピードを生かして背後を狙う形の仕掛けを増やしていく。

その後も拮抗した状況が続く中、G大阪の宮本監督は84分に殊勲のパトリックを下げて18歳の唐山を奥野に続いてJ1デビューさせた。

主力投入で後半半ばから終盤にかけて押し気味に試合を運んでいく神戸だが、G大阪も最後のところで粘ってフィニッシュまで持ち込ませない。85分にはイニエスタの絶妙なスルーパスに抜け出した藤本がボックス内でDFキム・ヨングォンをうまく外して左足を振り抜くが、これは枠の右に外れた。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、5戦目にして神戸にパナスタ初勝利を飾ったG大阪が無敗記録を12試合に更新している。

ガンバ大阪 1-0 ヴィッセル神戸
ガンバ大阪
パトリック(前27)