豪ノーザンテリトリーハイウェイにて、牛がヘビを頭から咥えて噛みしだいている珍しい姿が目撃された。これには長年この地に住む人々や牧場主からも「こんな姿は初めて見た」との驚きの声があがっており、その瞬間をとらえた貴重な写真が話題になっている。『ABC News』『9GAG』などが伝えた。

冷却システムの機械工であるアンドリュー・ガーツさん(Andrew Gertz)はある日、ノーザンテリトリーにあるサンドオーバー・ハイウェイを通ってアリススプリングスの職場に車で向かっていた。すると途中で、牛の口からなにか大きなものが垂れ下がっているのを目にした。

草食動物である牛の主な食事は青草や枯草などの牧草だ。しかしながら実際は草の他にも牛の骨や皮、カンガルーなど道端に転がった動物の死骸を口にすることも珍しくないそうだ。

そのためアンドリューさんもこの牛を見て、「なにか動物の骨でも口にしているのだろう」と思っていたという。だが車が牛に近づくにつれて、アンドリューさんはそれが単なる動物の死骸ではないことに気付いた。

牛が口にしていたのは、ニシキヘビ科の大きなサンド・パイソン(sand python)だったのである。

これにはアンドリューさんも驚き、珍しい光景を写真に収めた。その時のことをアンドリューさんはこのように話している。

「牛に近づいていって、牛の口から垂れ下がっているのが“サンド・パイソン”だって気付いたんだ。」

「なんだか頭から骨まで吸い取られてしまったようだったよ。」

「牛が動物の皮や車にはねられて死んだ動物、カンガルーの骨なんかを食べているのは見たことがあるけど、ヘビを咥えているのは初めて見たよ。特にこんな生きた状態のヘビはね。」

このサンド・パイソン、毒を持たない種類のヘビとのことだが、アンドリューさんが目撃した時にヘビはすでに牛の口の中にいたので、どのような経緯でこうなったのかは不明だという。アンドリューさんは「おそらく牛がヘビを踏んづけたか、ヘビの行く手を邪魔したとかでヘビが牛の舌に巻き付いたのではないか」と推測している。

その後、職場に到着したアンドリューさんが撮影した写真を上司に見せたところ、かつて牛舎で働いていた上司や地元に住む人々も「本当に珍しい」と驚いていたそうだ。

クイーンズランド州西部で牛の放牧を行い、自然史家でもあるアンガス・エモットさん(Angus Emmott)は今回の牛の行動について「実はクイーンズランド奥地の乾燥した地域では、牛が死んだカンガルーや仲間の牛を食べていることが知られています」と明かし、こう続けた。

「やはりヘビを口にしているのは大変珍しいことです。私も見たことがありません。」

「もしかしたらこの牛は、たんぱく質とヘビに付着した微量の元素を取り込むためにヘビを噛んでいたのかもしれませんね。」

アンドリューさんによるとこの牛はその後、いつもとは違う食事に興味を見せる様子もなく、息絶えたヘビを口から落としてどこかに行ってしまったそうだ。

自然界というものは知られていないだけで、実はこのような珍しい光景にあふれているのかもしれない。つい先日も米メリーサンド州で、サギに丸のみされたウミヘビが喉元を突き破り、垂れ下がっている驚きの姿が写真に収められたばかりであった

画像は『ABC News 2020年10月28日付「Cow caught chewing on a large python in outback northern Australia」(Supplied: Andrew Gertz)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE

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