リアガラスなどに貼られた「赤ちゃんが乗ってます」などと書かれたステッカーやパネルについて、「だから何?」といった声もあります。もともと、どのような目的で誕生したのでしょうか。

アメリカ発祥のマーク

「赤ちゃんが乗っています」「子供が乗っています」といったマークをリアガラスなどに付けたクルマが見られます。カー用品の定番のひとつであり、数々のパロディ商品が存在することからも、人気の高さがうかがえますが、インターネット上では「だから何?」といった声も少なくありません。

そもそも、こうしたマークはどのような目的でつくられたのでしょうか。

マークの発祥は1980年代のアメリカです。1984(昭和59)年、ベビー用品メーカー、セーフティーファースト社が、世界で初めて「BABY ON BOARD!(赤ちゃんが乗っています!)」というマークを発売。類似商品の「CHILD ON BOARD!」マークとともに、2年間で300万枚を売り上げる大ヒットになりました。

考案者であるセーフティーファースト社のマイケル・ラーナーさんは、当時の「ニューヨークタイムズ」のインタビューでマークを作った目的について、交通事故で赤ちゃんが命を落とすケースが多かったことから、周りのドライバーに注意を促し、子供の安全について意識を高める目的だったと語っています。

「赤ちゃんが乗っています」マークをめぐっては、「考案者が子どもを亡くしたために作った」「事故時にレスキュー隊へ子どもの存在を気づかせる意味がある」といった話もインターネット上で見られます。しかし、当のラーナーさんがこのマークを作ったのは独身時代のこと。インタビューに答えた1980年代当時から、こうした噂が広まっていたようです。

また、この当時から「Nobody on Board!(誰も乗ってない!)」「Baby Driving!(赤ちゃんが運転しています!)」「Baby Carries No Cash(赤ちゃんは金を持っていない)」といったパロディ商品も横行し、一大ビジネスになっていたことがうかがえます。ラーナーさんはインタビューでこれらの商品に対し「交通安全への努力をあざ笑っている」と不快感を示しています。

「赤ちゃんが乗ってます」マーク。