◆あなたたちは子供を親から引き離している側なのです

 入管職員は子供好きな人が多いです。でもその子供たちは、お父さんお母さんが収容されて、わざわざ面会に来ている立場なのです。

 職員たちは、入管に訪れる子供たちのことを純粋に「かわいい」と思ってくれていて、そこに悪気などありません。

 しかし、この子たちを親から引き離している側の人間であることは、無神経にならず肝に銘じていてほしいものです。

◆親子の「感動の再会」の瞬間に割って入る入管職員

 1年近くも収容されていたお父さんが、ついに解放される日です。通常、家族は6階の違反審査部門(仮放免の部屋)で待ちます。廊下の奥から、やっとお父さんが職員とともに大きな荷物を抱えて出てきました。待ちに待った感動の再会です。

 その時、職員の1人が、親子が近づけないように壁になりました。「まだ手続きが終わっていないからダメ!」と。仕事に忠実で、まじめすぎるのかもしれません。

 しかし、小さな子供たち相手にそんなにムキにならずとも……と思うのです。日本人特有の杓子定規というものでしょうか。せっかくの親子の感動の再会が、台なしです。

◆「病気になってしまったパパに会わせて」家族の粘り勝ちで再会

 この子たちのお父さんは収容中に精神科の病院に運ばれました。長期収容により病気になってしまったのです。家族はダメ元で病院へ行き、「パパに会わせて」と一生懸命に嘆願します。

 なかなかOKはもらえなかったのですが、家族の粘り勝ちでついにお父さんと再会し、触れ合うことができました。入管の面会では味わえない、ささやかな家族のだんらんです。見ていて思わず涙がでました。

 このように、親と子を長期に渡って引き離す入管のやり方には怒りを禁じえません。子供たちの心にどれだけの深い傷を残したのか。こうまで収容する必要が果たしてあったのでしょうか。

 他にも良い方法はいくらでもあったはずだと思います。大人の都合で翻弄された子供たちは本当に気の毒です。この先、この子たちはもう二度と苦しまないで幸せに、すくすくと成長していってほしいと願わずにいられません。

【ある日の入管 第9回】
文・画/織田朝日

【織田朝日】
おだあさひTwitter ID:@freeasahi外国人支援団体「編む夢企画」主宰。『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)11月1日に上梓