2021年3月24日(水)~3月28日(日)Bunkamura オーチャードホールにて、熊川哲也率いるKバレエカンパニーが、古典バレエの最高傑作『白鳥の湖』上演することが決定した。

悠久の歴史を生き抜いてきた不朽の名作『白鳥の湖』。揺るぎなくも奥深いこの“バレエの代名詞”の魅力を余すところなく描き切り、また“今を生きる古典”として、新たな可能性の扉をも開いた熊川版は、2003年の誕生以来、常に新鮮な感動をもたらし、絶大な支持を得てきた。

大きく世代交代を遂げて迎えた今シーズンの上演は、カンパニーの新時代を牽引する才能あふれる精鋭たちの競演が注目ポイントのひとつ。今作では今年2020年にプリンシパルに昇格した山本雅也(1月任命)、堀内將平(10月任命)、さらに2021年1月に新たなプリンシパルとして迎えられる日髙世菜が名を連ねる。日髙は本公演でのオデット/オディールがお披露目となる。

日髙世菜

日髙世菜

日髙世菜

日髙世菜

日髙世菜は、ロシア国立ワガノワ・バレエアカデミーで学び、ルーマニア国立バレエ団に入団。入団3年目の2014年、『ドン・キホーテ』主演後に当時の芸術監督ヨハン・コボーにより、同団の階級にはそれまでなかったプリンシパルに初めて任命された。その後、アメリカのタルサ・バレエ団でのプリンシパルとしての活躍を経て、このほど日本に拠点を移すべくK バレエ カンパニーに移籍した。バレリーナとしての理想的な身体と、ワガノワ仕込みの美しく正確なテクニックを武器に魅せる日髙のオデット/オディールに注目だ。熊川哲也、日髙世菜よりコメントが到着した。

熊川哲也

熊川哲也 (C)中森真

熊川哲也 (C)中森真

誰もがその名を知る『白鳥の湖』という名作には、バレエ芸術の魅力のすべてが宿っています。チャイコフスキーの音楽はそれだけでストーリーや情景を雄弁に物語り、プティパ/イワーノフが構築した舞踊の美と相まって、我々ダンサーそして観客の感動と霊感を常に呼び覚ましてくれるのです。
バレエ カンパニーでは2003年に独自の版を発表して以来、コンスタントに上演を重ねてきましたが、完成され磨き込まれた作品のもとで毎回新たな感動が舞台に生まれてくる、それもまたこの名作がもつ奥深さゆえでしょう。
今シーズン、Kバレエ カンパニー世代交代という大きな転換期を迎えました。これまでの伝統を確実に受け継ぎ、より高めていくという使命を胸に、若きダンサーたちが全身全霊で臨むこの『白鳥の湖』では、バレエという終わりのない追求の道をエネルギッシュに突き進む彼らの“今”、そしてその先に拓ける未来をも感じていただけるはずです。観客の皆さんにとってこの舞台が、感動の歴史の新たな1 ページとして心に刻まれるものとなることを願っています。

日髙世菜

日髙世菜

日髙世菜

子どもの頃から何度もその舞台を観て憧れを抱いていたKバレエ カンパニーの一員となれること、そしてプリンシパルとして迎えていただけることを、とても光栄に思っています。プレッシャーは大きいですが、熊川さんをはじめ皆さんの期待に応えられるよう、精一杯務めていきたいと思います。『白鳥の湖』を初めて踊ったのはルーマニア国立バレエ団に所属していた23歳の頃でした。白鳥と黒鳥にはそれぞれに他の作品、役柄にはない難しさがあり、特に白鳥は役作りひとつとっても毎回試行錯誤の連続なのですが、そのぶん踊っていて心から楽しさを感じられる役でもあります。踊るたびに新しい発見があり、自分の中に「こう表現したい」というアイデアも生まれてくる・・・興味が尽きません。
バレエでのデビューとなる今回の公演では、これまでのキャリアの中で培ってきたものをすべて注ぎ込みながら、熊川芸術監督のもとでまた新しい自分を見出だし、観客の皆様に感動をお届けできればと思っています。

熊川哲也 K バレエ カンパニー Spring 2021『白鳥の湖』