若い女性が木々の生えた小径を歩いている。その先には、おそらく恋の告白でもしようとしているのだろう、青年が一輪の花を片手に、木陰に身を隠したまま彼女がくるのを待っている。
これは19世紀オーストリアの画家フェルディナント・ゲオルク・ヴァルドミュラーが1860年頃に描いた『期待(Die Erwartete)』という作品だ。
だがちょっと待ってほしい。軽くうつむいた彼女の視線の先に我々には見慣れた、だがその時代にはあるはずのないものが描かれてはいないだろうか。
そう、彼女は両手にスマホらしきものを持って、その画面をじっと見つめているかのようなのだ。いわゆる歩きスマホだ。まさかこの女性はタイムトラベラー、とでもいうのだろうか?
―あわせて読みたい―
古代ギリシャの埋葬品に現代のノートパソコンが彫刻されていた!?
17世紀にスマホ!?タイムトラベラー疑惑。1930年代に描かれたアメリカ植民地時代の絵画にスマホらしきものが
キアヌ・リーブスはタイムトラベラー?1200年以上前から存在してる説がネット上でまことしやかに囁かれている件
これどんなオーパーツ?銅線がぐるぐる巻きになっている石が出土。2万年前に変圧器があったんかい!と騒ぎに(コソボ)
2100年前の墓から女性の遺骸と一緒にスマホそっくりの黒玉製の板が発見される(ロシア)
19世紀の絵画になぜスマホのようなものが?
今なスマホの画面をすっすっとスワイプしながら歩く女性の姿なんて珍しくもない。だがバイエルン州立絵画コレクションによると、この作品『期待』は1850年に描かれた可能性もあるらしい。ようやく電話が発明される頃のことで、スマホなんてあるはずもない。
それでも彼女がうつむき加減に歩く姿は、どこからどう見てもスマホを片手にした今時の女性のものだし、そう言われるとなんだか画面の光で顔がパッと照らされているようにも見えてくる。
ちなみにPinterestにはそのように加工された画像もある。
女性が手に持っているのは聖歌集か祈祷書の可能性
タネ明かしをすると、じつのところ女性が手にしているのは、スマホではなく、聖歌集か祈祷書なのだそうだ。当時の人たちならば、この絵を見てすぐに女性は本を読んでいると理解したことだろう。
だが今日、その手にあるものの正体を一目で見分けられる人はほとんどいない。かわりに当時あるはずのないスマホらしきものを見出し、はてなと首を傾げることになる。
タイムトラベラーの真実
その時代にあるはずのないものが描かれた絵画はいくつもあり、作者はタイムトラベラーだったのだろうか? などとトンデモ説が流れることもあるが、きっと真実はもっと単純なことなのだろう。
だがあるいは、やはり女性が手にしているのはスマホで、彼氏からのメッセージでも眺めているのかもしれないし、Youtubeで話題の動画を見たりみなかったりしているのかもしれない。
References:vice/ written by hiroching / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52296641.html
こちらもオススメ!
―知るの紹介記事―
メッセージ性が高く記憶に残る世界10の面白広告
イギリスでガソリン車とディーゼル車の販売を2030年までに禁止に。ハイブリッド車は2035年まで
機長の体が窓ガラスの外へ吸い出されるも全員無事。本当にあった航空機不時着事故
キノコ狩りに行ったら剣が生えてた!3300年前の貴重な青銅器時代の剣が発見される
義足の男性、躊躇なく海に飛び込み転落した車からドライバーを救出(アメリカ)
―超常現象・心霊についての記事―
人間の体が突然燃える「人体自然発火現象」の謎を科学的に検証する
なぜ、人は幽霊をみるのか?考えられる7つの要因
白骨死体からナチスの秘密まで、水中に沈んでいたミステリアスな12のあれこれ
ゾクっとする怪談話「未来からの電話」
怪奇。バスの下からにゅるっと伸びる白い手、その正体はこの後すぐ!(台湾)
カラパイアの公式アプリがついにリリース!サクサク見やすい、使いやすいよ! https://t.co/0PBhJB1jK7 pic.twitter.com/M1QblHgKJ7
— カラパイア (@karapaia) 2017年12月9日
コメント