19世紀の絵画に歩きスマホしている女性が?

19世紀の絵画に歩きスマホしている女性が?image by:Hajotthu/Wikimedia Commons

 若い女性が木々の生えた小径を歩いている。その先には、おそらく恋の告白でもしようとしているのだろう、青年が一輪の花を片手に、木陰に身を隠したまま彼女がくるのを待っている。

 これは19世紀オーストリアの画家フェルディナント・ゲオルク・ヴァルドミュラーが1860年頃に描いた『期待(Die Erwartete)』という作品だ。

 だがちょっと待ってほしい。軽くうつむいた彼女の視線の先に我々には見慣れた、だがその時代にはあるはずのないものが描かれてはいないだろうか。

 そう、彼女は両手にスマホらしきものを持って、その画面をじっと見つめているかのようなのだ。いわゆる歩きスマホだ。まさかこの女性はタイムトラベラー、とでもいうのだろうか?

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19世紀の絵画になぜスマホのようなものが?

今なスマホの画面をすっすっとスワイプしながら歩く女性の姿なんて珍しくもない。だがバイエルン州立絵画コレクションによると、この作品『期待』は1850年に描かれた可能性もあるらしい。ようやく電話が発明される頃のことで、スマホなんてあるはずもない。

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 それでも彼女がうつむき加減に歩く姿は、どこからどう見てもスマホを片手にした今時の女性のものだし、そう言われるとなんだか画面の光で顔がパッと照らされているようにも見えてくる。

 ちなみにPinterestにはそのように加工された画像もある。
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女性が手に持っているのは聖歌集か祈祷書の可能性

 タネ明かしをすると、じつのところ女性が手にしているのは、スマホではなく、聖歌集か祈祷書なのだそうだ。当時の人たちならば、この絵を見てすぐに女性は本を読んでいると理解したことだろう。

 だが今日、その手にあるものの正体を一目で見分けられる人はほとんどいない。かわりに当時あるはずのないスマホらしきものを見出し、はてなと首を傾げることになる。

タイムトラベラーの真実

 その時代にあるはずのないものが描かれた絵画はいくつもあり、作者はタイムトラベラーだったのだろうか? などとトンデモ説が流れることもあるが、きっと真実はもっと単純なことなのだろう。

 だがあるいは、やはり女性が手にしているのはスマホで、彼氏からのメッセージでも眺めているのかもしれないし、Youtubeで話題の動画を見たりみなかったりしているのかもしれない。

References:vice/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52296641.html
 

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