11月21日放送の「タイプライターズ〜物書きの世界〜」(フジテレビ)で、ゲストに作家の綿矢りさが登場。アイドルで作家の加藤シゲアキと、羽田圭介が綿矢の作品に影響を受けた過去を明かし、加藤が「僕の背中も蹴られた感じだった」と当時受けた衝撃を語る一幕があった。

【写真を見る】作家としても活動する加藤シゲアキ(右)

17歳で文壇デビューを飾り、2004年19歳のときに「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した綿矢を迎え、番組MCの又吉直樹と加藤がトーク。

加藤から「気分転換はされてますか?」と聞かれると、綿矢は「美術館とかに行ったり、映画館とか…館を。ミュージアム系をよく一人で行きます」と明かした。

また番組の途中からは、作家の中村文則羽田圭介も合流し綿矢の素顔に迫った。

中村と綿矢との出会いは、2010年の日中交流会でのこと。遅刻した綿矢が言い訳をしていたと言い、「動物園とかでパンダ、餌食べてるって思うじゃないですか、それと同じで綿矢りさが言い訳してる!って思って貴重なもん見たな(笑)」と笑いを誘った。羽田も当時大学生だった綿矢と挨拶を交わした際に、「あ!綿矢姉さんだ!」と思ったと明かすと、加藤は「みんなパンダと同じ扱い(笑)」とコメント。

綿矢の経歴や作品をまとめたボードを基に、17歳で文壇デビューからスランプに陥った当時の心境を振り返った。執筆をはじめた理由について聞かれると、「太宰治図書館で読んだのが16歳ぐらいで…」と明かす。

綿矢は17歳のときに「インストール」を出版。10代での作家デビューは羽田や加藤にも影響を与えたという。高校生の頃から作家になりたいと思っていた羽田は「高1のときに綿矢さんが高3で小説家デビューされた記事をみて、具現化された感じがしたんです。やるべきことを。それで小説書いて応募してっていう感じで。綿矢さんがデビューされてなかったら、(羽田の)デビューが数年遅くなってたかな」と語った。

また、加藤も「僕も羽田さんの一個下なんですごい覚えてます」として、高校1年生のときに友人とスノーボードにいく深夜バスの中で「蹴りたい背中」を読んだと言う。

「若くして小説家になるってどういうことなんだろう?自分とそんなに、3歳くらいしか変わらないのにって思って、読んで。本当は寝なきゃいけないんですよ。でも寝れなくなっちゃって。少し悔しさもあるし、自分はスノーボードで滑ってる場合なんだろうか?みたいな気になった。僕の背中も蹴られた感じだった」と綿矢の小説のタイトルを引用して笑いを誘った。

綿矢は芥川賞受賞後にスランプに陥ったと言い、「書いても書いても小説にならなくて。文章が、3行くらい書いては消し、書いては消しになって、スランプみたいなのになって苦しかったです」と、当時の苦しみを吐露。「芥川賞受賞後、第一作って早く書かれる方が多いので、私は書けなかったのでそれはキツかったですね」と、3年半に及ぶ苦しい時代について語った。

視聴者からは「綿矢さんの受賞は衝撃だった」「加藤さんが深夜バスの中で読んでたんだ」「タイプライターズを観ると本が読みたくなる」などの声が寄せられた。

加藤シゲアキが“作家デビュー”の契機を語った