ハワイの花は、日本でも部屋に飾ったりウエディングブーケにしたりと、ハワイ気分をあげるにのにも役立ちます。
そんな南国ムードたっぷりの植物は、実はほとんどが外来種なのです。
今回は、ハワイで有名な植物にはどんな歴史があるのかを学んでみましょう。
ハイビスカス／Hibiscus
赤や黄色などの鮮やかな色で大きな花のハイビスカスは、とても南国らしい雰囲気があります。
ハイビスカスは、20世紀初頭にハワイに持ち込まれました。
ちなみに、ハワイの州花はイエロー・ハイビスカス（ハワイ語でマウ・ハウ・へレ）です。
これはハワイの固有種で、ラナイ島では絶滅危惧種に指定されています。
ハワイに持ち込まれた中国のブッソウゲと、ハワイ固有のハイビスカス（コキオ・ウラなど）を掛け合わせ、現在では多くの種類が作られています。
その数は5000種以上にもなり、今では観賞用として世界中から愛される花になっています。
プルメリア／Plumeria
白やピンクのかわいらしい花で、髪飾りやレイに使われたり、香りも良いことからコスメに使われたりもします。
プルメリアは1860年、西欧の植物学者がハワイに持ち込んだと言われています。
とても生命力のある木のため、ハワイに根付き、良い気候のなかでどんどんと増えていきました。
プルメリアの原産地は中南米やカリブ諸国で、種類は300もあります。
現在のハワイでは、街だけでなく住宅の庭にも植えられ、人々に好まれています。
ピカケ／Pikake
フローラル系の上品な香りがするピカケ。
コスメや花嫁のレイにも使われる人気の花です。
ピカケはインド原産のジャスミンの一種で、和名は「マツリカ」。
19世紀、サトウキビ畑の労働力として中国からの移民によりハワイに持ち込まれました。
ハワイ王朝カイウラニ王女は、ワイキキの王室の庭に大好きなクジャクを飼い、そしてピカケを植えていました。
王女は惜しくも23歳で亡くなってしまい、その後、王女を偲び花の名を「ピーコック（クジャク）」と「ジャスミン」から「ピカケ」と名付けたということです。
アンスリウム／Anthurium
アンスリウムは、赤やピンクの鮮やかな色で、厚みと光沢があり、南国らしい存在感のある花です。
原産はコロンビアと言われており、ハワイの財務大臣がハワイに持ち帰ったことが始まりです。
しかし、はじめのアンスリウムは次々と枯れてしまいました。
19世紀初頭、後にハワイ島にアンスリウムが移植され、ハワイ島に住む日系人を中心に栽培され、改良されていきました。
長い時間をかけ、今では多くの品種が生まれ、現在は世界に出荷されるようにまでなった花です。
コーヒー／Coffee
アメリカ合衆国のなかでもハワイは唯一のコーヒーの産地。
そんなコーヒーも外来種だというのは驚きです。
1825年ハワイ王国時代、オアフ島総督ボキが、カメハメハ2世夫妻のイギリス訪問に同行し、その帰路でブラジルからコーヒーの苗を持ち帰ったのが始まりです。
ハワイ島コナは、コーヒー作りに適した土地でした。
そして、主に日系移民が創意工夫しながらコーヒーを栽培し、懸命に働いたこともあり、今日のような世界中から好まれるコーヒーへと成長していったのです。
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大陸から遠く離れた島々から成るハワイ。
現在では大陸から運ばれた外来種が多く存在します。
その植物一つひとつには、移民の想いがこめられたり、ロコからも愛されたりした歴史があります。
ハワイでそんな植物をみかけたら、昔のハワイの人々のことを思い出してみてください。
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