彼女が突然泣き始めた……。

男性にとって、対応に困るシチュエーションベスト3に入るのではないかと思われる「女性の涙問題」。

「どうしたの?」「大丈夫?」「理由を話して?」と言っても、ただ泣き続けるだけ。時間が経てば落ち着くかと思い待っていると、今度は激怒し始める……。一つ対応を間違えると状況がさらに悪化するため、早急かつ戦略的対応が肝心です。

泣いてしまう女心、そしてその場をしのぐだけではなく、関係性をさらに良くする対処法を心理学的に解説します。

■女性は泣いている理由をどうして言わないのか?

「泣きたくなるくらい悲しいのなら、悲しくなる前に話してくれればよかったのに。言ってくれないと分からないよ」と思いませんか? その上、理由を言わない。教えてくれない。それは、なぜなのでしょうか?

女性は、男性に比べて失敗を回避したい傾向にあるとされます。つまり女性は、けんかになる・もめる・あなたとの関係が悪化するというような「失敗」を回避したいがために、理由を説明しないのです。

対して男性は、状況の長期的結果を判断した上で行動をするということが分かっています。よって、精神的に追い込まれる前に、結果を見据えた問題解決行動を取ります。

このような傾向から、「泣いているだけじゃ分からない!」「どうしたらいいのか言ってよ!」と言えば言うほど女性が貝のように口を閉じてしまうのは、失敗を避けるための行動だったのです。

■彼女が泣く理由とは?

ただ、理由が分からないのでは、問題の解決方法も分かりません。そこで、女性が泣いてしまう原因として多いシチュエーションを4つ紹介します。

◇(1)連絡頻度が少なくて寂しいから

多くの女性にとって、連絡頻度が愛情の指標になりがちです。というのも、女性は感情共有を重視する傾向にあり、仲の良い友達とは日頃から多くのことをシェアしています。

「今朝は普段より30分も早く起きちゃった」という、ささいなことまで話したがるのが女性の特徴。ですので、愛する彼ともできるだけ多くのことを共有したいし、してほしいと願っているのです。

もし、あなたがLINEや電話無精の場合、男性には想像できないようなレベルのストレスを与えていた可能性があります。

◇(2)あなたの愛情に自信が持てないから

彼氏からのLINEがなかなか来ない時、「リサーチスイッチ」が入る女性もしばしば。

TwitterやInstagramであなたの動向をチェックし、返信は送ってこないのに、他の女性の投稿にいいねやコメントをしていると、嫉妬心がムクムクと湧いてきてしまいます。

連絡頻度の少なさと、他の女性とのやり取りへの嫉妬というコラボで、彼女の心を打ち砕いてしまう場合もあります。

◇(3)二人の未来が不明確で不安だから

女性は一途に愛され続けることを本能的に求めるため、結婚という「一途な契約」を男性よりも重視します。

よって、あなたから「二人の交際を将来的にどうしたいと思っているのか」が伝わらない場合、不安が高まってしまうことがあります。

◇(4)けんかが増えて自分に自信が無くなってしまったから

交際期間が長くなると、お互いの価値観がぶつかり合い、けんかになることもありますよね。失敗を避けたい女性にとって、けんかが増えるということは大きなストレスです。

また、彼女が「自分のせいでけんかになっている……」と原因の矢印を自分に向けがちな性格の場合、さらに自分を追い込んでしまいます。

男性にとっては、そのけんかを「将来に向けたポジティブな話し合い」というように捉えていても、彼女にとっては一つ一つが大きな失敗に見え、こんなことばかり続いていたら幸せになれないとネガティブに捉えてしまうのです。

■絶対しちゃダメ! 彼女が泣いている時のNG行動

彼女が泣いている時、どう対応すればいいのか分からず、女心を傷つけるNGな行動を取ってしまうことも多いでしょう。

そこで、ここでは泣く彼女に対して、してはいけないことを紹介します。

◇(1)「理由を言ってくれないと分からない!」と真顔で問い詰め

「自分が伝える言葉によって、さらにあなたを怒らせてしまうかもしれない」「話し合ったところで状況が悪化するかもしれない」など、マイナスの想像によって沈黙を貫く女性。

あなたが問い詰めるほど、彼女はさらに口を閉ざしてしまいます。

◇(2)「それって自分のせいだよね?」と論理的に問いただす

本当にあなたが悪かったのかそうでないのかはいったん横に置いておき、彼女があなたの前で泣いているのだとすれば、原因の99%はあなたにあります。

どれだけ彼女に理由を聞いたとしても、その説明は、「あなたが何かをした→だから私は悲しくなった」という構図になってしまいます。

このように、「あなた(彼氏)のせいだ!」と言われてすぐに「ごめんね」と言える男性は少ないでしょう。あなたもきっと反論したくなるはずです。

ただ、あなたのその気持ちを、理路整然と伝えたところでらちが明きません。「泣く」という感情表現の最たるものに対して論理的に応対しても、話はすれ違っていくだけでしょう。

◇(3)「泣いて解決しようとするのは良くないと思う」と人格を否定する

最もやってはいけないのが、性格や人格の否定です。人は否定されると必ず反論したくなります。これは「心理的リアクタンス」と呼ばれるもので、ダメと言われるほどやりたくなる心理を指しています。

「テレビを見ちゃダメ! 勉強しなさい!」と言われるほどテレビが見たくなるように、「泣いて解決しようとするのはダメだよ!」と言われるほど、素直に応じられなくなるものです。

◇(4)放っておく

いくら彼女が口を開かないからといって、放っておくのはNGです。

前述したように女性は本能的に一途に愛され続けることを求めているのです。ですので、放っておくという行動は女性を傷つけ、反対に他のことを差し置いてでも女性を助けるという気概が女性の本能に突き刺さり惹き付けるのです。

ということで、彼女が泣いている時に彼女を守る(気に掛ける)行動を取らなかった場合、あなたに対する愛情度が激減する可能性もあります。

■彼女が泣いた時の適切な対処法

では、彼女が泣いた時どのように対処すればいいのか。その方法をお伝えします。

◇(1)黙って寄り添い、相手にペースを合わせる

まずは、相手のペースを合わせることが大切です。

涙を流している時は言葉にならないので、まずは黙って寄り添ってあげるのがおすすめです。

◇(2)穏やかな気持ちで彼女の感情を言語化する

少し彼女の落ち着きが見えたら、「悲しかったね」など、彼女の気持ちを言葉で代弁してあげましょう。

カウンセリングでも、相手の感情を言葉にして返してあげることで「私はあなたの味方ですよ」というメッセージを送り、相手を安心させることがあります。

ですので、失敗を恐れて沈黙している彼女を、安心させる言葉を掛けましょう。

◇(3)「話したくなったら、いつでも言ってね」と伝える

彼女自身が、「何を言ってもあなた(彼氏)は否定してこないだろう」という安心感を強く持てた時、「話しても大丈夫かな」という気持ちが女性の中に徐々に芽生えます。

その時、「いつでも話を聞く準備ができているよ」というメッセージを送っておけば、彼女のタイミングで泣いた理由を切り出してくれるでしょう。

◇(4)「悲しませたこと」については謝る

「あなたのせいだよ!」なんて言われると、反論したくなりますよね。ただ、そこはぐっと堪えて、まずは「彼女を悲しませてしまったこと」を謝罪しましょう。

彼女の悲しみを鎮火させるために必要な手段です。

◇(5)具体的な改善策を伝える

話し合いの最後に、未来に対する会話をしておくことが重要です。

人は、何事にも慣れ、習慣化していってしまう生き物なので、どうしても同じことを繰り返してしまいがち。

ですので、「ごめんね」「もうしないよ」で話を終わらせるのではなく、「具体的な対策を持って再発を防ぐ」という意志を示しておくことが大切です。

傾聴とお互いへの思いやりが大事

泣いている彼女を前にすると、誰でもあたふたしてしまいます。そして、どうにかしてその場を丸く収めたいと思いますよね。

ただ、長期的な視点で見た時、その場しのぎの対応では良好な関係を構築することができません。

ですので、まずは相手の感情に寄り添い、言葉に耳を傾けてください。そんな、あなたの真摯に歩み寄る姿勢が、彼女の意識を変え、お互いに思いやる気持ちを育むのです。

(広瀬絵美)

※画像はイメージです

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