南極海のヒゲペンギン(アゴヒモペンギン)のコロニー(集団繁殖地)で1月9日、珍しい遺伝子変異の“色の薄い”ペンギンが発見された。
この白系レアペンギンは南極海、サウス・シェトランド諸島のある島の海岸で確認された。ワシントン州シアトルにあるワシントン大学のペンギン専門家ディー・ボースマ氏は、アルビノのように見えるが、実際にはおそらくイザベリニズムだろうと言う。
イザベリニズムとは、2009年に海洋鳥類学の専門誌「Marine Ornithology」に掲載された論文によると、遺伝子変異によってペンギンの羽毛の色素が薄くなった状態を指す。その結果、本来は黒い部分の色が「均等に薄くなり」、灰黄色から薄茶色になるのだという。
発見された白っぽいペンギン
イザベリニズム、白変種(leucism)、アルビノはいずれも専門的には異なる遺伝形質を指すが、しばしば混同して使われている。白変種というのは体毛のメラニンが生成されなくなる遺伝子変異で、目の虹彩は通常の色のままだ。これに対し、アルビノの個体では全身でメラニンがまったく生成されないので目の虹彩色も赤っぽくなる。
ペンギンでは多くの種において、このような配色の個体がまれに現れるそうだ。
イザベリニズムのペンギン
ペンギンは黒い背中のおかげで、海中で上方を泳いでいる捕食者からも獲物からも身を隠すことができる。そのため、今回サウス・シェトランド諸島で確認された個体が生き延びていくうえで、イザベリニズムであることが障害となるのではないかと考えられているが、この問題に関する先行研究はないそうだ。
しかし安心材料もあり、配色が違うことで漁ではやや不利になるかもしれないが、白変種の個体も普通に子供を産み育てているのが定期的に確認されているそうだ。
そういえば南極のサウスジョージア島では2010年に全身真っ黒のペンギンの個体も発見されていたね。真っ黒も生存確率的にはどうなんだろうね?
全身真っ黒のペンギン、南極で発見される(動画)
こちらは2008年に確認されたブラックペンギン。普通に巣を持っていて普通に生活していたそうだ。(ソース)
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