TOKYO MX地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。10月22日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、慶応大学特任准教授でプロデューサー若新雄純さんが“体罰をなくすための学校システム”について述べました。

◆体罰を“ゼロ”にするには?

兵庫県宝塚市の中学校1年生2人に柔道の技で重軽症を負わせたとし、顧問の男性教諭を傷害の疑いで逮捕。宝塚市では2016年に中学2 年生の女子生徒が自殺した問題を巡り、市の再調査委員会が学級や部活動でのいじめを認定。これを受け、市の教育委員会は子どもとの接し方などについて教員に研修を実施。逮捕された男性教諭も事件の約1ヵ月前にこの研修を受けていたということです。

学校内の体罰について、ゼロにするための議論が各所で行われていますが、「ゼロにするには、人間が先生を辞めるしかない」と若新さんは言います。なぜなら人間と人間が関わる現場に立ち続ける以上、人間性の問題があるからで、「感情的になってやってしまうことなどが完璧になくなるのは難しい。むしろ、それと向き合い続ける社会をどう作っていくか」と持論を展開。

そんな若新さんは以前から学校に関して疑問に思っていることがあると言います。それは先生から暴力を受けた際に、頼る相談窓口を教えてもらったことがないこと。「何かあったら先生に相談しなさいと言われるが、本来なら守ってくれる人、相談する相手である先生に暴力を振るわれたら、どこに相談していいのかわからない」と若新さん。

一方、社会では問題が起きても組織のなかで言いづらければ、弁護士や警察など他に相談する場所があり、そういったことが「安全に生きていく上で重要」と主張。それこそ学校内にも保健室スクールカウンセラーがあるものの、内部の窓口では相談しづらいという一面も。また、学校を管轄する組織として教育委員会がありますが、若新さんは「教育委員会に相談しましょうと言われたことは、一度もない」と言います。

◆体罰をなくすために新たな学校システムを!

もし体罰があった場合、問題化する前にそこに至る事情や経緯などの調査が必要であることからも、「現場を離れて運用する機関がないといけない」と提案。そして、あくまで案として、例えば生徒や保護者がどういった学校であるべきか反映されたルールを作り、その上で評議会や窓口などを創設し「三権分立のように互いに監視し合い、密室化しないようバランスが取れた組織化を目指さないと先生が暴力を振るわなくなる社会は訪れない」と論じます。

MCの堀潤が通っていた中学校では評議会に近い仕組みがあったそうですが、「いじめや体罰の駆け込み寺のようには機能していなかった」と振り返りつつ、「そういった仕組みを作ることは必要かもしれない」と若新さんの意見に賛同。

また、弁護士の三輪記子さんも「問題は起こる、存在するという前提を持つ、共有する」と提起。最近では家庭裁判所でも子どもと親で利益が対立した場合、子どもの代理人制度があるそうで、「問題が起こってからではなく、問題がある前提で常設機関として子どもたちの代理ができる機関があったほうがいい」と見解を示します。

若新さんは人間性を正していくことは大事としつつも、そこには限界があるだけに、「僕らが考えるべきことは、人間が起こしてしまう問題をいかにシステムで解決するか」と明言。そして、そのための組織のはずだった教育委員会やPTAが「長い歴史のなかで形骸化しているところもある」と指摘し、「それらを見直しながらシステムをどう機能させていくかという視点を持つことが重要」と主張していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter@morning_cross

学校での体罰をなくすには…新たな“学校システム”の構築を!