詳細画像はこちら

ワゴンの理想形を追求?

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo: Keisuke Maeda(前田恵介)

W124の時代から、メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴンのラゲッジ・スペースの広大さには定評があった。

【画像】Eクラス・ワゴン 荷室写真【GLEのトランクと比較】 全36枚

単に広いだけではなく、高さ(深さ)があり、ちゃんとトノーカバーが備わる点は、使う側の視点で作られていたことが分かる。

詳細画像はこちら
今回のラゲッジ・スペース調査は、メルセデス・ベンツの改良新型Eクラス・ステーションワゴンの荷室を実測検証(E200ステーションワゴン・スポーツ)。    前田恵介

90年代のライバル車には荷室が浅いものやトノーカバーがなく荷物が丸見えというモデルもあり、完成度の高いEクラスのワゴン・モデルの使い勝手の良さが際立っていた。

それから20余年。Eクラスは先ごろW213系のマイナーチェンジ版へと進化する。

そこで現行Eクラス・ステーションワゴンのラゲッジ・スペースの有用性をチェックしてみることにした。

やっぱり「Eクラスは広かった」

かつてのミディアム・クラス時代から定評のある広いラゲッジ・スペースは、最新モデルにも受け継がれていた。

注目したいのは後席を使用した定員乗車時の荷室の広さだ。

詳細画像はこちら
Lサイズと Mサイズのスーツケースを寝かして積み込んだ状態。Lサイズを2本並べて詰める。    前田恵介

今回は、GLBの調査でも使ったMサイズのスーツケース(710×425×260mm:容量61L)と、機内持ち込み可能なボードケース(550×400×200mm)が測定サンプルとして再登場。

さらに、広大なスペースを誇るEクラスだけに、Lサイズのスーツケース(790×530×280mm:容量84L)を加えてみた。

さっそくLサイズとMサイズのスーツケースを寝かして積むと、余裕で収まってしまった。

左右にはまだスペースがあるのでLサイズを2本並べて入れることも可能だ。ボードケースなら、起こした状態で収納しても、ちゃんとトノーカバーが使えるのはさすがだ。

トノーカバーを取り外すなら

それでは、スーツケースを起こして積んでみよう。

トノーカバーを巻取っただけの状態では、Lサイズは、角の部分が荷室からちょっと飛び出してしまった。

詳細画像はこちら
Lサイズのスーツケースを起こして積みこむと端が飛び出してしまい、リアゲートを閉められない。    前田恵介

そこで、取り外し式になっているトノーカバーの巻取り部分も含めて外すと、今度はLサイズのスーツケースはきれいに収まった。

スーツケースを起こした状態ならLサイズを4本飲み込む収容力の高さは、Eクラス・ステーションワゴンの伝統といえる美点だ。

後席シートアレンジをチェック

Eクラス・ステーションワゴンは全長4955mmという余裕のサイズもあって、後席に我慢というワードは存在しない。

身長167cmの筆者が決めたドライビング・ポジションで後席に移ると、ひざから前席バックレストまでは300mmものクリアランスがあり、ゆとりの空間が確保されていた。

詳細画像はこちら
後席のシートバックは、座面にそのまま倒れる方式だが、フロアは後端から前端まで前上がりでフラットなため使い勝手は良い。    前田恵介

後席のシートバックは40:20:40の3分割式で、それぞれを独立して倒すことができる。

左右のバックレストは後席で倒せるほか、荷室横にある可倒レバーからも操作できるので便利。

シートバックは座面にそのままで倒れる方式だが、フロアは前端から後端まで前上がりでフラットになり、段差もないため大きな荷物の積み込みも楽だ。

荷室長を実測 後席を倒すと?

荷室長を実測してみると、ラゲッジ後端から倒したリアシートのシートバック前端までで1830mm。

筆者のポジションで前席のバックレストまでは、2180mmという広大なスペースが出現する。

詳細画像はこちら
改良新型E200ステーションワゴン・スポーツ(ヒヤシンス・レッド)    前田恵介

荷室高は後席部分で730mm、開口部でも730mmあり、横幅は荷室の最も狭い部分でも1100mmある。スチールの本棚なら楽に飲み込んでしまう大きさだ。

なお、荷室後端には床下収納スペースが用意されており、工具やチェーンなどを入れることが可能。

また荷室フロアの四隅にはラゲッジネット用のリングが備わるのも有用だ。

新型Eクラス・ステーションワゴンをチェックしてみると、メルセデス・ベンツが磨き上げてきたワゴンの使い勝手の良さを、しっかりと受け継がれていることが理解できた。


メルセデス・ベンツの記事
【ショールームでの高い訴求力】メルセデス・ベンツ C 200 ステーションワゴンへ試乗
【僕らに道は必要ない】最高のオフローダー 10選 あらゆる路面を制するクルマたち
【羽ばたけないガルウイング】メルセデス・ベンツSLRマクラーレンとブリストル・ファイター 後編
【羽ばたけないガルウイング】メルセデス・ベンツSLRマクラーレンとブリストル・ファイター 中編

【どれだけ積める?】メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴン 改良新型のラゲッジ・スペース、実測調査 王者の余裕