日本シリーズ4試合での成績は15打数2安打、打点もホームランも0。

 しかし、ソフトバンクナインは口を揃えるのです。

 「マッチさんの存在はデカい」と-。

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 「特別なシーズン」と呼ばれた2020年の野球界は、ソフトバンクが昨年に続く4連勝で巨人を撃破。ポストシーズン16連勝、日本シリーズ12連勝と異次元の強さで圧倒しました。

 MVPの栗原をはじめ、柳田に中村晃グラシアルに甲斐と打のヒーローは枚挙に暇のない中、なぜ日本一の立役者として松田宣の名が挙がるのか。

 プロ野球の取材経験が長い記者は言います。

 「松田のような存在がいるかいないか、それがすなわちホークスジャイアンツの差なんですよ」

 ホークスのベンチでは、たとえスタメンから外れたとしても、初回から声を出しまくり、ナインを鼓舞する「熱男」の姿があります。この光景はゲームセットの瞬間まで続くのです。

 ゴールデン・グラブ賞7度、ベストナイン1度で日本代表歴もある37歳のベテラン。本来ならベンチでふんぞり返っていても、誰も何も言わないことでしょう。

 しかし、松田宣は違う。若手に躊躇なく声をかけ、チームに一体感をもたらしていく。初回から自らが打てばスタンドへ「熱男」コールを繰り出し、戦闘ムードを高めていく。

 前述の記者は言います。

 「自ずと『マッチさんが前のめりで熱く試合に臨んでいるのに、俺たちが声を出さないわけにはいかない』という雰囲気が醸成されます。松田宣も先輩の小久保や川崎の振る舞いを見て、どうすればチームを牽引できるかを学んできたのでしょう。ベテランが率先垂範し、チーム全体が闘志みなぎる集団として相手に向かっていく。これが常勝軍団ホークスの礎であることは間違いありません」

 特に日本シリーズのような大舞台は試合への「入り」が重要です。今年のジャイアンツも「硬さ」が見られ、レギュラーシーズンのようなペースがつかみにくい様子でした。

 そんな中、松田宣の「声」がもたらす活気と安心感は、チームをスムーズに決戦へと誘います。

 投打におけるスピードとパワー、層の厚さなど、今季のソフトバンクの強さは様々な角度から語られることでしょう。

 その一つには、「数値化されない」松田宣の一生懸命な姿勢があることも、心にとどめておきたいものです。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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