誰かに対して密告することを「チクる」といいます。
この「チクる」はもともと擬態語の「チクリと刺す」という言葉から来たとされる説の他、「口」という言葉から来たとされる説があります。

そこで、ここでは「チクる」の語源について解説します。
この言葉、かつて不良少年たちが使っていたのが広まったともされるんだとか!

「チクる」とは

まずは「チクる」とはどういう言葉なのか、意味や類義語から解説します。

「チクる」の意味

「チクる」には「告げ口する」「密告する」などの意味があります。
伝えなければ知られなかったことを、あえて報告するような場面で用いられる言葉です。

この「チクる」人のことをチクり屋などとも呼びます。
もともとは若者言葉のように使われていたものですが、現代では死語として解釈している方が多いです。

なお、本来「チクる」は動詞として使われる言葉ですが、名詞としてこれらの行為自体を「チクリ」と表現することもあります。

「チクる」の類義語

「チクる」は主に「告発」などが類義語となります。

ちなみに告発というのは悪事や不正を明らかにして、世間に知らせることを意味するのですが、他にもいくつかの意味があります。
例えば、犯罪とは関係のない人が捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求めることなども告発というのが特徴です。

チクるの場合は、こっそとりと別の誰かに報告する感覚に近いです。
それに対し、告発には公にするというニュアンスが含まれます。

その他の類義語としては「牙をむく」や「反旗を翻す」などもあります。

牙をむくというのは動物が攻撃や威嚇のために牙を出すことで反逆や敵意を態度で示す言葉です。
反旗を翻すというのは、謀反を起こすことを意味しています。
2つの言葉は、どれも自分よりも立場の高い人や目上の人に対して用いられることが多いです。
自分が上にのし上がるためであったり、邪魔な人物を排除するために、対象となる人物のウィークポイントを誰かに伝えるという意味での類義語となります。

「チクる」の2つの語源

そんな「チクる」には2つの語源があるとされています。
以下、それぞれの背景を詳しく解説します。

「チクリと刺す」様子から

チクリやチクチク、チクンなど尖ったものの擬態語として用いられた言葉がそのまま語源となったという説があります。
これらの擬態語は、尖った針などで刺す様子を指す言葉で、その様子から動詞として「チクる」を用いるようになったのだとか。

動詞以外でも「チクリと嫌味をぼやく」などのように副詞として使われることもあります。
この「チクリ」がラ行五段活用されて「チクる」という動詞になったともされます。

ちなみに、明治時代以前までは「チクリ」はわずかな様子を意味しており、針などで刺す「チクリ」はもともと「シクリ」と表現されていたそうです。

「口」から来た

また、チクるの語源は「口」にも関係しているとされています。

口は「くち」と読むのが一般的ですよね。
この「くち」を倒語として「ちく」で表現したことから、「チクる」という言葉が生まれたともされています。

「チクる」が普及したのは不良青年たちから?

そんな「チクる」が普及したのは不良少年が関係しているとされています。
もともと「チクる」という言葉は、不良少年たちの間で使われており、仲間内などで用いられることが多かった言葉とされています。
この不良少年たちから広まった「チクる」が、80年代のツッパリブーム以降、一般層でも使われるようになったともされます。
また、ツッパリブームが来る遥か以前、50年代の不良少年たちの間で使われていたともされています。

当初では「チクる」は先生や先輩、両親などへ告げ口をするという軽いニュアンスで用いられていただけとされます。
それが、社会人になってからも使っていたことで、上司や警察や報道機関などへ密告するというニュアンスでも使われるようになったのだとか。
そこから広く世に広まったわけですね!

そっくりな言葉「タレコミ」

「チクる」にそっくりな言葉として「タレコミ」などもあります。
このタレコミはもともとは警察や探偵、報道機関などが使っていた言葉だったとされています。

この言葉は、犯罪などの情報を秘密裏に密告することを指しています。

その語源は「垂れ込み」という言葉にあります。
情報などが水のように「垂れ込んでくる」というところから来たんだとか。

刑事モノをはじめとしたドラマや映画で用いられるようになったことで、警察や探偵や報道機関だけではなく、世間一般でも使われるようになりました。

まとめ

「チクる」は主に密告をすることなどを指す言葉です。
これはもともと、「チクリと刺す」や「口」を倒語の語源だとされています。
もともと不良少年たちの間で流行し、そこから映像作品などの影響で広く一般にも広まったとされています。