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栄光のレーシングマシンを再現

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

アストン マーティンのモータースポーツ部門が、ヴァンテージ・レガシー・コレクションを発表した。レースにおける成功を祝したヴァンテージのコンプリートカーである。

2005年に発売された先代ヴァンテージをベースに、2009年から2018年にかけて成功を収めたクラスの厳しい基準で仕上げられている。

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アストン マーティン・ヴァンテージGT3レガシー・コレクション    アストン マーティン

2014年と2017年のル・マンでクラス優勝、FIA世界耐久選手権(WEC)で7つのタイトルを獲得し、ブリティッシュGT、GTワールドチャレンジ、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズで数々の勝利を収めてきた。

レガシー・コレクションは新しいシャシーをベースに、アストン マーティン・レーシングのグリーンとイエローのカラーリングが施されており、「レースに出る準備ができている」という。

ヴァンテージをベースにした最初のレースカーはGT4で、2009年に初参戦し、2013年、2015年、2016年、2018年にイギリスGT選手権を制覇している。

レガシー・コレクションのGT4はオリジナル同様、標準モデルの4.7L V8エンジンを搭載しながらも、軽量化されたエグゾースト、ツインフィル燃料タンク、強化されたトランスミッションとクラッチを採用している。

また、FIA公認のフルロールケージ、樹脂製のサイドおよびリアウィンドウ、クイックリリース・ボンネット、アジャスタブル・ダンパー、レカロのレーシングシートが装着されている。

V12ヴァンテージGT3は、その名の通り、608psを発生する6.0Lの大排気量エンジンを搭載。オリジナルの軽量アルミシャーシ、レーシングクラッチ、カーボン製プロペラシャフト、6点式ハーネス、カーボンダッシュボードはすべてレガシー・コレクションに引き継がれている。

取り外し可能なカーボン製パネルや調整可能なリアスポイラーを含むエアロパッケージも採用されている。

世界を魅了したアストンの走り

最後は、WECで最も成功したマシンへのオマージュを込めて作られたヴァンテージ・レガシーGTEだ。GTE仕様は当初6台のみが製造され、今回のレガシーモデルのシャシーナンバーは「007」となっている。

価格は明らかにされていないが、現行のヴァンテージGT4が20万ポンド(2760万円)前後であることを考えると、レガシー・コレクションはそれを大きく上回ると予想される。

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アストン マーティン・ヴァンテージGT4(オリジナル)

3台とも公道を走行することができないので、コレクションとして保存するか、サーキット走行を楽しむかのどちらかだ。

アストン マーティン・レーシングのデビッド・キング社長は、次のように述べている。

「コレクターにとって、アストン マーティン・レーシング・ヴァンテージのこの3台は、モータースポーツにおけるアストンの栄光の時代に対する究極の賛辞を表すものとなっています」

「アストン マーティンはその後、ターボチャージャーを搭載した新世代のV8ヴァンテージで世界選手権のタイトルを獲得しました。しかし、オリジナルが築いた基盤は世界中のファンを魅了し、愛される存在になっていきました。今回のレガシー・コレクションは、この素晴らしいクルマを後世に残すためのものです」


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