―[貧困東大生・布施川天馬]―


 現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。

◆大多数の東大生は「非リア充

 気の合う友人との飲み会などはとても楽しいものです。飲み会と一口にいってもいろいろなシチュエーションがあるわけですが、なかでも特に男性陣の気合が入るのは「合コン」ではないでしょうか。

 最近はコロナの影響などで、それこそ合コンのような会食はなかなかできていませんが、少し前まではあちらこちらの居酒屋で毎日のように出会いのための飲み会が開催されていました。それこそ大学生くらいの年代なら、ほとんどの人は合コンに一度は行ったことがあると思います。

 しかし、僕ら東大生は合コンに行ったことがない人にあふれています!

 そもそも他大学よりも極端に女子学生の比率が低い東京大学では学内でパートナーを見つけることは至難の業です。なにせ男子生徒4人に対して、女子生徒が1人の割合でしか存在しないのですから、大多数の東大男子たちは「非リア充」となってしまう。

 もはや僕たちモテない東大男子たちの生きる道は「学外への進出」、すなわち合コンにしかないのです。

◆東大生たちが合コンに消極的なワケ

 ただし、その前途は多難です。男子校の出身者が多い東大生は合コンセッティングするまでのハードルが普通よりも高い。

 さらに障壁はそれだけではありません。東大生の多くは実際に首尾よく合コンセッティングされたとしても、なかなか積極的に参加してこない。それも「出会いがほしい!」「彼女がほしい!」と普段から口癖のように言っているような人でさえです!

 合コンの場ではコミュニケーション能力が問われる場とはいえ、僕らの「東大生」という肩書は自己紹介の時などに強力に作用するはずです。東大内では出会いに恵まれることは少ないということはわかっているのに、どうして僕たち東大生の多くは「合コンに行く」という選択肢を取らないのでしょうか?

 それは僕たち東大男子たちは女のコたちの前で失敗してしまうことを極端に恐れているから。何事も初めからうまくできるわけもないのに、プライドが先行してしまっているため、新しい出会いの場に飛び込むことができないのです。

◆遊び慣れている風の東大生だったのに…

 以前、東大の同級生に「出会いが欲しいので合コンセッティングしてくれないか」と言われたことがあります。幸いにも僕には都内の女子大に通っている友人がいたため、彼女に頼み、合コンセッティングしてもらう約束を取り付けることに成功しました。

「きっと彼らも喜ぶだろう」と思って友人にその旨を報告したところ、返ってきたのは「まさか本気にするとは思わなかった。合コンなんて怖いから行きたくない」という言葉でした。

 彼らは同じ東大内のグループの中ではかなりイケている方であり、遊び慣れているような雰囲気を醸し出していました。東大内では「自信の塊」として接している彼らでさえも、外部の女性たちからは逃げてしまうという事実が非常に印象的でした。

◆「作戦会議ナシ」で臨んだ今後の顛末

 また、別の機会になりますが、東大内の友人から「出会いがほしいから合コンセッティングしてくれ」と言われたことがあります。この時はビビることなく男性陣側のアポ取りも完了し、なんとか当日を迎えることができました。

 ここでは合コンの前の「作戦会議」というものを一切行いませんでした。僕もそこまで行き慣れているわけではありませんから偉そうなことは言えませんが、さすがトークなども慣れていない童貞臭丸出しの男たちが無策で突っ込めば、どうなるかなど火を見るよりも明らかです。

 そして、当然、この合コンでは大失敗に終わりました。一人は緊張からガチガチになってしまい、もう一人は緊張のあまり、乾杯後に慣れないお酒を一気飲みして酔いつぶれ、会の最中だというのに熟睡。この時点で女性陣は白けに白けていたのですが、なんと眠りから目覚めた彼は諦めず、その会に来ていた中で一番人気だった女のコから連絡先を聞き出そうと、帰り際にしつこく言い寄っていました……。

◆唯一、女性陣と話ができていた男すら…

 一人だけ男性側でトークが飛びぬけてうまい人がいたので、彼だけは女のコと連絡先を交換していました。しかし、後日数人の女のコから連絡が来た際には、結局「やっぱり東大の人がいい。そのほうが安心する」と言って、女の子からの連絡を無視してしまいました。

 敗因は明らかです。それはまったく慣れていない合コンに、自分の実力を過信して突っ込んだということです。

 就活の際に面接の練習をするのと同じように、どのようにしてトークを回すか、場を盛り上げるのかということを考えることは、相手方にとって失礼のないようにふるまえるための最低限のマナーです。しかし、東大男子たちは自身の価値を見誤り、あぐらをかいた結果、見事に足元をすくわれてしまったのです。

◆東大たちに欠けていたものとは?

 もちろん誰しもが最初からうまくいくとは限りません。むしろデビュー戦から大成功したという人の方が少ないでしょう。しかし、これ以降、いくら彼らを誘っても、合コンに乗ってくることはありませんでした……。結局、彼らも東大内に籠ってしまったのです。

 よく「東大生は鼻持ちならない」などと聞きますが、同じ大学の仲間たちだけでつるんでいたら、それはもちろんそのように言われてしまっても仕方がないでしょう。もう少し勇気を出して、自分の知らないエリアの人とも積極的にコミュニケーションをとってみることが大事なのではないでしょうか?

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』が発売中

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